英語力で医学力も評価されることの矛盾

医学生なら、なるべくいいところで研修したい、というのは誰しも考えること。
医者は、とどのつまりは、腕ですから。

希望者の多いある医療施設では、研修医を英語の成績で選択しているらしい。マッチングというやつね。
ここでも、英語ですか!と思うのは、僕だけかなあ。
医学部6年間の勉強より、英語力ですか?なんか釈然としないな。教えている者の身にもなって欲しい。

国際化とか、グローバルスタンダードとか、世界に通用するなんとかとか、いろいろ最近叫ばれているけど、突き詰めると、英語力になってしまうのかねえ。通訳を使うのはダメなのかなあ。英語の出来ない人間は、すべてを否定されるような感じだ。

最近、英語が得意です、という医学生が多い。生物などの理系科目より、英語が得意という学生が増えている。ある私立の医学部は、英語の配点が高く設定されていて、英語の得意な受験生、とくに女子に有利だ、と聞いたことがある。そう言えば、その医学部は女子医でもないのに、女子学生の割合が、日本でも一番多い。どこの大学とは言えないが…。数学の配点を高くすると、女子の合格者が減るとも聞いたことがあるが、これは不確かな情報。

確かに、自分も日夜英語の世界に触れているが、基本的な教育は、母国語でやるべきではないかと思う。思考の深いところでは、母国語で考えているのだから。同僚の人で、得意げに、英語で書いてある方が頭にすっと入る、と宣う人がいたが、その人の日本語は散々だったな。仕事も?だったし…。結局、英語に逃げてしまったけど。本来の仕事はどこに行ったのやら。でも、日本って、それでも生きていけるんですよ。英語が出来ると宣伝すれば。

日本は、なんか植民地みたいだ。母国語で育まれる文化をどう考えているのだろうか。英語が世界共通のツールであることに今さら異存はないが、日本の国の成り立ちさえも英語によって変えるつもりじゃないだろうなあ。英語、英語って騒ぐ輩には、強引なヤツが多いから、控えめな日本人は圧倒されてしまうかもしれない。気を付けろ!