うさぎ狩り部

最近医学部と医学生に関して、色々と心配することがある。

そんな矢先、宮崎大学医学生(2年生)が、ウサギの解剖の様子をブログに載せ、さらに、うさぎ狩り部と称して、学内に、そのサイトを宣伝するかのごときポスターを貼ったらしい。あきれ果てた行為だが…。

6人組だったらしいが、うさぎ狩り部で、何をしたかったのだろうか。詳細が不明なのでなんとも理解に苦しむが。医学を志すものにあるまじき行為、と言って糾弾するのは簡単だが、彼らはどんな思想を持ち、どんな精神状態だったか、とても興味ある。

ふと、小学校でカエルや魚の解剖をしたときの興奮を思い出した。もしかして、宮崎大の医学生は、精神年齢的に、小学生レベルだったのではないかと心配になった。宮崎大のカリキュラムがどうなっているのか知らないが、2年生なら、人体解剖実習をそろそろやっているはずだ。ウサギの命に敬意を払えないものが、人体解剖をやるかと思うと、気分が悪くなってくる。ウサギの命より、ヒトの命の方が、尊いということでは決してないが。

人間は他の多くの動物を犠牲にして、その生命を維持してきた。これは紛れもない事実だし、これから先もそうだろう。命を奪っておいて、命の尊さを考えろ、と言うのはまことに矛盾に満ちている。が、それらをすべて承知した上で、命の尊さを自覚し、尊重することが必要と考える。ヒトは他の生命体に生かされていることを決して忘れてはいけない。

以前にも書いたが、医学部は、受験勉強漬けの高校出たての子供じゃなく、もう少し経験を積んで、生命倫理にも関心を持てる大人を対象にした教育システムにすべきではないだろうか。私は、日本の医学教育制度はあらゆる点で、限界に達していると思う。その問題点の1つが、うさぎ狩り部と言う形で表面化したのではないだろうか。