子供の貧困、経済格差が教育格差を生み、貧困が連鎖する

民主党政権時から、子供の貧困対策、として法案のとりまとめが進んでいましたが、自民党売国政権に誘導されてからも、それは継続され、アベが経済政策ならば大声を振り上げて宣伝する達成目標や期限を削除し、政府の責任を明確にすることなく、成立する状況にあります。
 
おかしなことは、自民党を始めとした利権側の人間は、経済格差を利した教育格差の拡大に懸命にもかかわらず、こういう法案を作るという、矛盾、です。
 
私は、法案、を作ることは必要だと思いますが、それをキチンと運用し、貧困の中で絶望する子供を、、何時までに、どこまで支援するのか、という具体的な、工程表、を示すべきだと考えます。
 
今回の法案では、その責任を明確にしていません、つまり、適当にやる、と言っているに等しいのです。
 
論理的に考えて、ニッポンの支配階層は、貧乏人は奴隷になれ、と言っているとしか思えないのです、なぜならば、彼らが官僚を使ってこれまでやってきたことは、明治時代にサムライという利権組織によって構築された巨大利権を死守するために、格差を維持する政策を採り続けてきたからです。
 
この法案を作る一方で、一日に何億円も消費する、もんじゅ、という人類史上最悪の粗大ゴミの危険物はやめず、核兵器製造装置である原発を推進するとアベは宣言しました。つまり、今後も、格差を広げる経済政策、社会運営、を社会保障を切り捨てても断行する、と言っているのです。
 
原発問題、ではないか、と思われる人もいるかもしれませんが、原発を続けると言うことは、どうやっても弱者切り捨てと利権優遇しかありえないのです。
 
ニッポン人は、心ある日本人は、福島原発事故で露見した、原子力を軸とした強大な利権構造がニッポン社会をむしばみ、多くの不幸をもたらす社会悪そのものであることに気がつきましたが、現政権の本心を知ろうとしない多くの株価に浮かれているようなニッポン人は、政府のインチキとウソを、無批判に受け入れ続けるのでしょう、奴隷扱いされていることも気がつかず。
 
そんな愚民を増やさないためにも、教育の機会均等に力を入れて、多くの人が、差別されることなく、慎ましくも、安心して生活できる社会を作るために、賢い国民を育てる教育を目指すべきと私は考えます。
 
利権に食い込むためには教育、つまり、学歴で成功する必要があります、そのためには、莫大な教育費が必要なことは、ニッポンの教育システム上、避けがたい事実なのです。難関大学の親は、高額所得者、が多いことは以前から知られていた事実です。
 
そんな状況ですから、貧困の渦中にいる子供たちは、その事実を肌身に感じていて、絶望しているのです。誤解なきように付け加えますが、私は、貧乏人にも教育支援をして利権に入れるようにしろ、と言っているのではありません。
 
頭を使わず、隷属するだけでは、この高度に統制されたニッポン社会から脱して真に民主的な国家にはなれないと思うのです。
 
考える人間を育てることで、邪悪な支配者の暴走に歯止めをかけることが可能となり、安定した国家、安心な国家へ成熟できると考えるのです。
 
現状は、管理や組織に都合のいい人間を、優秀、としていますが、そういう価値観で選んだ人間たちが社会を運営した結果が今のニッポン社会であることを認めるときです、これまでと同じことを強化しても、同じ結果しか生まないのですから。
 
以下に、子供の貧困、に関する関連記事を転載します。

 
 
中国新聞より転載。
 
こどもの日 「貧困の連鎖」どう防ぐ(2013/05/05)
 
 アベノミクスで景気浮揚の兆しは見えたが、国民の家計が潤うかどうかはまだ見通せない。
 もし低所得者層の底上げのないまま社会の格差がさらに広がっていけばどうなるか。心配されるのは、子どもたちの教育へのしわ寄せである。
 既に「子どもの貧困」は社会問題となっている。経済政策を重視する安倍政権も、目を背けてはならない課題のはずだ。
 きょう「こどもの日」。教育基本法の根本である機会均等の意味を再度、心に刻みたい。
 国連児童基金ユニセフ)が昨年公表した子どもの「相対的貧困率」の国際比較は、大きな波紋を広げた。所得面で標準の半分以下の世帯に育つ子どもの割合を指すが、日本は6人に1人の15%。先進20カ国の中では4番目に高かったという。
 子どもの貧しさというと発展途上国が頭に浮かぶ。豊かさを謳歌(おうか)してきた日本では、なかなか見えにくいのは確かだ。とはいえ景気低迷や非正規労働の増加を背景に、じわじわと深刻化してきたのは間違いない。
 給食費や学用品代などを補助する就学援助制度の対象となる小中学生の数も、それを裏付けていよう。調査を開始した1995年度から増え続け、当初の倍の156万人に膨らんだ。
 家に病院に行くお金がないため、学校の保健室が頼り。給食が唯一のまともな食事。そんな子どもたちもいると聞く。
 教育費を専ら家計に依存する日本。親の所得が低いと子が十分な教育に恵まれず、大人になっても厳しい生活から抜け出せない。そうした「貧困の連鎖」が始まっているとすればゆゆしきことだ。放置すれば国の将来に大きなマイナスとなろう。
 そこで強い危機感を持ち、対策を急ぐのが政治の責任のはずである。しかし、このところの迷走ぶりはいかがなものか。
 象徴は民主党政権が華々しく打ち出した子ども手当だ。国会で「ばらまき」との批判を受け、所得制限付きの児童手当に逆戻りした。一方で安倍政権は昨年末の衆院選で幼児教育の無償化を公約としたが、巨額の財源のめどは立たないままだ。
 子どもの貧困とどう向き合っていくのか。場当たり的なやり方ではなく、国としてのしっかりした理念が必要である。
 自民党は経済的に苦しい家庭の教育支援をうたう「子どもの貧困対策法案」を議員立法で国会に提出する方針だ。趣旨からいえば望ましいが、8月から予定する生活保護削減とセットの法案となるのも事実だ。子どものことは忘れてはいない、とのポーズだけなら困る。
 現に生活保護見直しをめぐって問題が浮上している。現行の取り決めでは頼みの綱の就学援助の基準も連動して下がるため、もらえなくなるケースが相次ぐと予想されている。
 それなのに弱い立場の子どもにどう配慮するか、政府としての具体策は見えていない。
 そもそも子どもの貧困に関し、実態に即した議論が不足していた感は否めない。政治家も官僚も、現場の切実な声にもっと耳を傾けてもらいたい。
 例えば子どもの生活相談にも乗れる「スクールソーシャルワーカー」を、学校にもっと配置すべきだとの指摘もある。地域の状況に応じたきめ細かい施策が今こそ求められよう
 
西日本新聞より転載
 
子どもの貧困
 厚生労働省の2010年国民生活基礎調査では、17歳以下の子どものうち貧困状態にあるのは15・7%。ひとり親家庭の子どもは半数が貧困状態。貧困家庭の小中学生に学用品や給食などの費用を援助する就学援助制度は、学校教育法に基づき市町村が実施。11年度の対象者は計156万7831人。1995年度から倍増し全児童生徒の16%を占めた。05年の「三位一体改革」で国庫補助から地方交付税による措置に変更され、自治体の裁量が広がったため、援助を縮小する動きもある。
(2013年5月1日掲載)

貧困連鎖 平等どこに 自治体で援助に差 生活苦、強盗犯した青年「幸せ築きたい」

 1週間ほとんど水しか飲んでいなかった。金欲しさにタクシーに乗り、運転手にかみそりを突き付けた。怖くなって何も奪わずに逃げたが、運賃650円を払わず運転手の手に軽傷を負わせた。

 逮捕された。容疑は強盗致傷。薄暗い留置場で祥吾(22)=仮名=は思った。「貧乏でなかったら、こんなところに…」

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 生後間もなく両親が離婚。祥吾は九州の漁師町で港湾や土木現場で働く父親に育てられた。小学生のときから家事は全て祥吾の仕事。できていないと父親から殴られた。

 泣き声を聞いた近所の人の通報で警察が何度も来た。顔にあざをつくるたび、担任教師や児童相談所の職員も来たが、父親が「しつけだ」と言うとみんな黙った。

 中学時代は昼食代もなく、私立高に進むとバイト三つをこなして月約3万円の授業料や生活費を稼いだ。授業中はほとんど寝ていた。「将来の夢なんて考えられなかった」

 仕事は定まらず、20歳のときに暴力団の資金源だったホストクラブに転がり込んだ。給料をもらえず寮から逃げ出した。かみそりを握ったのは、その2カ月後だった。

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 憲法14条は法の下の平等を保障する。現実には「人生のスタートラインから差がある。格差が固定化されている」と、子どもの貧困に詳しい長崎大准教授、小西祐馬(34)=児童福祉=は言う。

 貧しい家庭に生まれた子は、貧困を理由とするいじめや不登校で学習の「機会の平等」を奪われることが少なくない。安定した職に就けず、貧困が連鎖。厚生労働省によると、生活保護受給者のうち親も受給者だったのは約25%に上る。

 貧困家庭を支える仕組みには市町村による就学援助制度もあるが、制度の実態を調べている福岡県の小学校事務職員、高津圭一(48)は「自治体によって取り組みに落差がある」と指摘する。

 高津は2008年、全国の31自治体について就学援助の対象となる年収基準額を調査した。4人家族の場合、259万円から431万円まで開きがあった。保護者向けのプリントや広報紙で積極的に申請を呼び掛ける自治体もあれば、全く告知していない自治体も。「貧困家庭の多い自治体の大半は税収が低く財政難。申請を抑えたいのだろう」と高津はみる。

 祥吾は援助制度を知らなかった。住む場所によって救われたり、救われなかったり。セーフティーネット憲法の理念は十分生かされていない。

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 「これから頑張りなさいよ」。判決言い渡し後、裁判長に諭され、祥吾は頭を下げた。懲役を覚悟したが、執行猶予が付いた。初公判の日、検察官が冒頭陳述で祥吾の生い立ちに触れたとき、多くの裁判員が泣いていたのを思い出した。

 「助けてくれる人がいたから、スタートに立てた。今から何とかはい上がって、幸せな家庭を築きたい。平等ってほんとにあるんだと思いたい」

 祥吾はNPO法人が運営する自立支援施設に入り、ヘルパー2級の資格を取った。アパートを借り、介護施設で働き始めたばかりだ。 =敬称略