コクリコ坂を思い浮かべ横浜を歩く

昨日、土曜日は(5月25日)、よい天気だった。
 
以前から、なぜだか、ジブリのアニメ映画、コクリコ坂、が気になっていて、あの映画にちなんだあたりを歩いてみたい、と考えていた。
 
実は、ゴールデンウイーク中に、三渓園横浜市電保存館には出かけてきたのだが、そのときは、コクリコ坂、のことは頭になかった。
 
コクリコ坂には市電がたびたび登場するし、あの映画の時代設定だと(東京オリンピックちょっと前、昭和30年代後半)、市電がまだまだがんばっていた時代だろう。
 
市電保存館は、しばらくの間、更新工事、で休館となるため、その前にあわてて出かけた、というのが本当のところだが、その時のことは、いずれ記事にしたい。
 
で、今回は、思い切って、最近の鬱を払拭する目的で、横浜に再度出かけることとした。
 
JR根岸線石川町駅から港の見える丘公園を経由して、根岸競馬場跡地の根岸森林公園までを歩く、というものだ。
 
距離的には大したことはないのだが、地図で見ると、高台をめぐるコースで高低が激しく、しかも、細い枝道が沢山あり、バス道を行くのが嫌いな私としては、複雑な脇道に入りこんでしまいそうで、いささか心配なところがあった。
 
地図に太く描いてある道を行けば、少し遠回りになるが、目的を達せられるが、それでは面白くない。
 
山歩き、が好きな者としては、あえて脇道を行きたくなるのだ。
 
さて、どんな遠足になったかというと、
 
久しぶりに、石川町、の駅で下車したが、駅前に高層ビルが林立し、あまりに変わっていたのでビックリしたが、あの駅の特徴である川をまたいだ高架の駅はそのままで、いくらかは綺麗になっていたが、駅自体はそう変わらないような印象だった。
 
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私が一番最初に石川町で下車したのは、地元っ子に案内されて、外人墓地から港の見える丘公園、そして、当時はそう有名でなかったブリキのおもちゃ博物館へ出かけた学生時代のことで、30年以上も前のことである。
 
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石川町は、その周辺にある学校の生徒の下車駅として、朝はにぎやからしいが、休日は、私のような観光客がウロウロする観光地となる。
 
運悪く、改札を出たところに、好物のうどん屋があったので、思わず入ってしまった。
 
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食べたのは、讃岐うどんのふっかけというやっで(冷ね)、とても美味しかったが、持参した昼食のおにぎりが無駄になってしまった。
 
で、駅のちょっと先から、横道を入り、急な、狭い坂道を登って(学生には通学路だろう、何とか女学院へという看板が出ていたから)、登り切ったところで、広い通りに出た。
 
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持参した簡単な地図を見ると、この先を道なりに行くと、外人墓地を経由して、港の見える丘公園、へと行けるようだ。
 
たぶん、以前来たときも、このコースを辿ったはずなのだが、あまりに昔のことで思い出せないし、あの時はデートだったので、それどころじゃなかったのかもしれない(笑)。
 
道を行くと、なんとか女学院中高とその女子大が道の両方に現れ、他にも、なんとか大学の付属中高や、色々なところに系列校のある某女子校も登場し、まさに、文教地区、の趣である。
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上の写真の学校など、この辺りの学校の卒業者が知り合いにいるが、彼女らは、こんな急坂を毎日上り下りしていたのだろうか、足腰の鍛錬にはいいとは思うが…。
 
さらに進むと、洋風の建物が何棟か並ぶ、観光名所に到着した。
 
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あたりには沢山の人がいて、洋館を改造したレストランで昼食を楽しむ人で一杯だった。
 
しばらく行くと、外人墓地があり、そのちょっと先が、港の見える丘公園、である。
 
高台の端っこにあるので、展望がすこぶるよくて、横浜港、が一望の下にできる。
 
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公園に隣接するホテルで、シャボン玉を大量に飛ばしていたが、何のイベントだったのか?
 
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園内の植物(バラなど)がとても綺麗に咲き誇っていた。
 
画を描く人が沢山いたが、きっとそういう名所なのだろう。
 
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公園を出て、目指すは、ブリキのおもちゃ博物館、でも、中には入らず、通り過ぎるだけで、その先にある北方小学校を目指す。
 
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道は細くなり、諏訪神社の小さな社を通過し、坂を下り続けると、その先に小学校が見えてきた。
 
ちょうど運動会らしく、校庭では玉入れが行われていた。
 
小学校を通過し、少し行くと、キリン公園、というあまり大きくない児童公園が道の左側に現れた。
 
なぜ、キリン、と思った、あまり気にせず通過するが、道沿いにある、元は公園の入口だった場所に石碑があり麒麟園と読めた、何だろうか。
 
帰ってから調べたのだが、あの辺りは湧水に恵まれていたことから市販用のビール醸造が日本で最初に行われた歴史的な場所とのこと。
 
つまり、日本最初のビール醸造会社であるキリンビールの発祥の地らしく、それにちなんで、キリン公園、となったようだ。
 
道はさらに下り、交差点に到着。
 
さてどちらに行くかと迷い、桜道という名の道路を選択。
 
途中、凄まじ石段を発見、それを登ると妙香寺という立派なお寺があった。
 
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再び、石段を下り、先を急ぐ。
 
山手公園へ、という表示があり、それに従って急な坂道を登る、上には公園とテニスコートがあるらしい。
 
公園はニッポンのテニス発祥の地らしく、その記念館と実際にテニスコートがあった。
 
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高台の上にあるテニスコート、明治期には、横浜に住む特権的な外国人が優雅にプレーしていたのだろう、ニッポン人を排斥して。
 
公園を巡り、元の道に戻り進むと、道はトンネルの上を通り、このまま進むと大回りになりそうなな予感。
 
で、下に降りる階段を発見して、遠くに見える交差点(麦田町)を目指すこととする。
 
交差点からは、元は市電の車庫だった所を通り、柏葉、という地域の中を進む。
 
JR根岸線をくぐったところで、このままではバス道を行くことになるので、あえて、横道、を探す、地図は、簡単なものしかなく、役に立たないので、勘を働かして根岸台方面に行きそうな坂道を選択する。
 
狭い道なのでちょっと不安になるが、上り続ける。
 
すると、盲学校、の前に到着、実は、ここがポイントで、これを目指していたのだ。
 
この学校まで来ると、その先は一本道といってよく、森林公園までは迷うことはない。
 
避難場所は根岸森林公園という表示もあり、一安心する。
 
後はただただ進むだけ、しばらくすると、公園の端っこに到着。
 
公園に隣接してある、根岸競馬公苑(馬の博物館)前から、園内に入る。
 
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園内には馬場と厩舎があり、乗馬が出来るらしい。
 
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厩舎に寄って馬を見るが、みんなかわいい顔をしている、中にはポニーが混ざっていて、小さい子はポニーに乗れるらしい。
 
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小学生くらいの子供たちが、馬の世話をしていた、乗馬をやっているのだろう。
 
馬場から坂道を降りて、公園の芝地に降りる、空が開けていて、とても気持ちがいい。
 
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元競馬場だったこともあり、公園は、楕円形に近いが、楕円の内側は谷になっていて、それも、中に向かって結構落ち込んでいるので、競馬場時代は、もし地形的にこのままなら、ずいぶん風変わりな馬場だったのではないかと思う。
 
谷底?から反対側の坂道を上り、その先にある、旧根岸競馬場の一等馬見所という遺構を目指す。
 
廃墟としてその道のマニアに人気のこの遺構は、今も存在感満点で、公園入口から、木々越しに、その塔部分3本が見え、何か特別な雰囲気を醸し出している。
 
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この廃墟は、私の嫌いな米国の施設に隣接していて、広い芝の庭持った、典型的な米国住宅が見られる。
 
ああ、ニッポンは戦争に負けて、占領が続いているのだ、と思い知らされる瞬間である。
 
一等馬見所に関しては、横浜市の所管になっているようだが、周りをフェンスに囲まれていて、特別な保存処理はなされていないようである、後は、自然崩壊に任せるだけか、もったいない気もするが。
 
この遺構の前のベンチに腰掛け、そのオーラを堪能する、すごいパワーだ。
 
そして、ふとお昼のおにぎりがあることを思い出す、というか、どこかで食べるタイミングを計っていたのだが、ここに来て、やっとそのときが来たのだ。
 
で、ベンチで、おにぎり2個を平らげ、一息つく、時間は、すでに4時だ、遅すぎる昼食というか、間食。
 
遺構を堪能し後は、公園に戻り、園内の周回道路沿いに歩く、途中、気持ちよい芝地を目にしたので、そこで一休み。
 
近くで、白人の女の子2人が、立派なデジカメで、お互いに写真を取り合って楽しそうにしているが、よくよく見ると、切り株の上に立ち、ファッションモデルのようにポーズを決めている。
 
少し遠かったので可愛い子かどうか確認できなかったが、ずいぶん楽しそうで、無邪気な様子だった、きっと、幸せな子たちなのだろう。
 
面白いことに、彼女らが写真撮影をしている間に、カラスが彼女らのお菓子をつまみ食いしていた。
 
公園内は、ジョギングする人、犬の散歩をする人、皆さんそれぞれの楽しみ方で過ごしていた。
 
もう十分だ、帰る時間だ、公園を出て、米国の消防署前を通り、根岸の駅に向かって道を下る。
 
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消防署から僅かに下ったところに、あの荒井由美(現松任谷由実)の名曲であまりに有名なレストラン、ドルフィン、がある、場所は根岸台で、歌詞は山手となっているが、まあ、山手の方が格好いいからだろう。
 
 
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坂道を下る途中で、根岸駅への近道の表示があり、その細い坂道を下ることとする。
 
その坂道の途中、湧き水、があり、飲み水ではない、という表示。なぜだか、小さい人形のオブジェが水の湧き口にあったが、何のため?
 
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坂を下った先に、根岸駅前に通じる大通りが見える、3週間前にバスで通った道である。
 
そして、JR根岸駅に到着、ああ、見慣れた駅前だ。
 
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これにて遠足は終わり、JRを乗り継いで家路についた。