紅葉の中、人生を考える

週末、箱根に、紅葉見物に行きました。
 
二の平にある蓬莱園周辺を巡ってみようと思い、箱根登山鉄道小涌谷駅で下車し、蓬莱園、に続く道を辿りました。
 
蓬莱園は、元は、三河屋旅館、の庭園で、ツツジの名所とのこと。
 
ツツジの季節に蓬莱園を訪ねたことがなかったので何とも言えないのですが、園内は紅葉の盛りでした(以下の写真)。
 
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駅から園に向かう途中の道々の紅葉に感心しながら、点在する小奇麗な企業の保養所をうらやましく思い、ぶらぶら歩きました。
 
家の周りも紅葉できれいなのですが、ここの紅葉は何か特別な感じがして、単なる思い入れが強いせいでしょうけど、秋真っ只中、という言葉がピッタリだなあ、などと思いながら蓬莱園に到着しました。
 
園内には紅葉を楽しむ観光客がいましたが、そう多くなく、それもほとんどが女性でしたね、男は秋には興味がないのでしょうか?
 
蓬莱園を後にして、小涌園、方面に移動し、その施設の一角にある、そば料理が楽しめる、箱根茶寮椿山荘、という有形登録文化財に指定されている元別荘の庭園を散策しました(以下の写真)。
 
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この庭からは、お盆の送り火で有名な、明星ヶ岳、が一望のもとで、庭の風情も華美ではないのですが明るくて、とても気持ちのいい景色でした。
 
箱根小涌園と言えば、箱根では有名なリゾート地で、その周辺は、目白にある椿山荘で有名な藤田観光グループの施設で埋め尽くされています。
 
ここは温泉を利用した日帰り入浴施設や、プール、ホテル、若者向けの格安ホテル等、色々なチョイスが可能です。
 
でも、そういう賑々しさは、私には少し鬱陶しですね、椿山荘、の佇まいは気に入りましたけど。
 
箱根駅伝で有名な小涌園のカーブが望める高台のベンチで昼食のおにぎりを食べながら、晴天の秋の陽を全身に浴びました、とても気持ちよかったなあ。
 
その後、国道1号を小涌谷駅方面に下り、途中、二の平温泉、への道へを選択しました、お分かりと思いますが、入湯、が目的です。
 
色々迷ったのですが、結局、話し好きの女将さんが面白い、以前紹介した、亀の湯、にしました。
 
玄関横の受付で入浴料を払い、いざ、浴室へです。
 
運よく、ちょうど入れ替わりだったようで、誰も入っておらず、独り占め、状態です。
 
ここの湯は、肌にやさしく、温泉臭さ、がないので私は大好きです。
 
体を洗ってから、湯船に体を沈めました。
 
いい気持ちです、古くて痛みもあるのですが、私にはとても居心地のいい立ち寄り湯です。
 
女将さんの話では、箱根では立ち寄り湯専門の浴場の草分け的存在のようです。
 
このところ環境の大きな変化で少々うつ状態になっていたのですが、お湯につかり、少しは安らいだ気分になりました。
 
そろそろ出ようか、と思ったとき、私より10歳ほど年配の方が入ってきました。
 
で、挨拶を皮切りに、会話が弾み、取り留めもなく、色々な話をしました。
 
その方は、定年後、近くの別荘地にある中古住宅を購入して、趣味の陶芸を楽しんでいるということでした。
 
本宅は神奈川で、月の半分ほど箱根に来て、別荘暮らしをされているようです。
 
うらやましい限りです、こういう人生が最高ですね。
 
ここに落ち着くまでのいきさつまでも細かく話していただき、引退後の人生を徹底的に楽しまれている、ということが伝わってきて、私もあれこれ質問して、話が弾んでしまいました。
 
結局、湯船の縁に腰かけたり、たまにお湯に浸かったりしながら、1時間ほど会話を楽しみました。
 
自分は退職後こういう充実した人生を送れるだろうか、という思いにとらわれて、後で会話を思い出しながら暗い気分になりましたが、人間らしく生きるということを、風呂で袖すりあった方ですが、教えられたような気がしました。
 
入湯後、ロビーで女将さんと少々話し込んだのですが、この地域(二の平)ではコンビニが生活必需品(食品も含めて)の供給源として、とても重要な位置を占めているということがわかりました。
 
この地域でも商店が次々廃業する中で、都心のコンビニと違った、地域への貢献、なくてはならない存在、という役割があるようですね。
 
二の平には、登山鉄道の彫刻の森駅前に和風の佇まいのローソンがありますが、彫刻の森美術館前の道が1号に連絡するところに新しいコンビニが建設中のようです。
 
買い物が不便な地域では、何でもそろうコンビニが地域の生命線のような存在になっているのですね。
 
帰りの登山電車は秋の行楽シーズン真っ盛りということで、超満員状態でした、国道も渋滞していましたね。
 
最後ですが、箱根登山鉄道の新型車(3000形)の営業運転中の写真(強羅近くで撮影)を載せておきます。
 
残念ながら、今回は新型車に乗車することは叶いませんでした、本当に残念!
 
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