1日限りの温泉めぐり(箱根)

7月のある日曜日、無性に温泉につかりたくなり、箱根に向かいました。
 
どうせなら、これまで行っていない温泉へと考えました。
 
これまで行っていない温泉として、彫刻の森の近傍にある二の平温泉(亀の湯)、塔ノ沢温泉(一の湯)を巡るプランを考えました。
 
亀の湯 → 一の湯(本館) → 一の湯(別館)というコースです。
 
まずは大好きな登山鉄道で彫刻の森駅へ。
 
乗車する電車は、箱根湯本の駅で待ちながら、あえてモハ1形の、それも吊り掛け式駆動の編成(103号と107号の2両編成)を選びました。
 
イメージ 7
 あの吊り掛けの走行音、いいですね、箱根の山に独特の音を響かせて登るサンナナ(103と107のこと)はとても頼もしいです。
 
で、あまりに慣れ親しんだ彫刻の森駅で下車し、彫刻の森美術館方面の道を辿って、お目当ての亀の湯へ到着です。
 
一度は入らねば、と思いながら、なぜかこれまで訪問していませんでした。
 
以下に、立ち寄り湯専門の、亀の湯、の全景と、女将さんの許可を得て撮影した、浴室、の写真を示します。
 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
3人いや2人でいっぱいな小さな浴槽があるだけの、とてもシンプルな浴室です。
 
泉質はほんの少し硫黄臭のする、とても肌触りのいい温泉で、白い、どぎつい温泉が嫌いな私にはちょうど良い感じでした。
 
運よく、入湯中は1人で独占することができて、浴槽で体を思いっきり伸ばして、ゆっくり、のんびり、温泉を楽しむことできました。
 
至福の時間です。
 
上の浴槽に、体を伸ばしたオッサンがプッカリと浮かんだ様子をご想像ください、思わず笑っちゃうでしょ?
 
小さな浴室なのですが、温泉旅館の大風呂並みに天井が高く、圧迫感がなく、古い浴室ですが、とても心地よいのです。
 
小一時間ほど浴室で過ごし、湯上りは、入り口にある小さなロビーで、玄関から入る自然の涼風で火照る体を冷やしました。
 
山の上にあることと、ちょうど建物の向きの関係で風通しがよいことを女将さんに教わりました。
 
扇風機もありましたが、全く必要ありませんでしたね。
 
汗が引くまでの間、居合わせたお客さんと女将さんの会話にいつの間にか参加して、亀の湯の成り立ちや女将さんの思いなどを聞くことができて、とてもいい時間を過ごすことができました。
 
もっと早く来ればよかったなあ、と思いましたね。
 
亀の湯のすぐ横には、源泉、があり入浴施設をやるには好都合のようでした(以下の写真)。
 
イメージ 3
 
亀の湯を後にして駅に戻り、塔ノ沢への電車に乗り込みました。
 
これまで塔ノ沢温泉には公衆浴場的な立ち寄り湯の、上湯温大衆浴場(以下の写真)、には入湯したことがあり、古くて狭い浴室でしたが、泉質は、今回訪問した亀の湯と似ていて、私にはとても感じのいい温泉でした。
 
イメージ 4
 
でも、同じ塔ノ沢温泉と言っても源泉が違えば何かしらの変化があるはずで、一の湯、がどんな温泉かとても楽しみでした。
 
お気に入りの塔ノ沢駅で下車し、これまた慣れ親しんだ道をテクテク歩き、一の湯(本館)(以下の写真)へ到着です。
 
イメージ 5
 
とても歴史のある有名な旅館ですね、旅館の人の話では、現在の建物になってからでも築80年以上とのこと。
 
ここの立ち寄り湯のいいところは、一か所利用すればその領収書?を提示することで、箱根にある一の湯グループの他の旅館の立ち寄り湯も利用できて、湯巡り、が楽しめることです。
 
箱根と言っても、場所によって泉質がずいぶん異なりますからね、手ごろに箱根温泉を楽しみたい人には、うれしいプランです。
 
で、肝心な温泉ですが、その様子は旅館のホームページで確認していただくこととして、浴室は脇に流れる早川のせせらぎが直に響く、まさに河原にある温泉、という風情でした。
 
私は好きですね、川の流れの音を聞きながら入浴するのが。
 
泉質は上で紹介した、上湯、と違うようで、もっとさらりとした、ちょうど大平台温泉に似た感じでしたね。
 
ここでの発見は、実は温泉ではなく、その脱衣所にあった洗面台です。
 
脱衣所にある洗面台が全面銅引きの立派なもので、しかも、ピカピカに磨き上げれれていて、ビックリしました。
 
以下に、旅館の方の許可を得て撮影した、その豪勢な洗面台の写真を示します。
 
イメージ 6
 
なぜ、私がこうも感動するかというと、ご存知の方も多いかとは思いますが、調理器に好適な熱伝導のよさとは別に、銅、は抗菌効果があり、古から抗菌の目的で生活の色々な場面で使われてきたという歴史があるからです。
 
私自身も、以前は硫酸銅という試薬を廃液溜に入れて、細菌の繁殖を抑えるということを培養室ではやっていました。
 
銅の抗菌効果を研究されている先生にこの洗面台の写真を見せたら、わが意を得たり、とばかりに感動していただきました、そのうち、どこかで紹介されるかもしれませんね、細菌学的なエビデンスの応用、ということでね。
 
歴史のある旅館とは、面白いものですね、箱根にある、近代的な、ゴージャスなホテルとは違ってね。
 
入湯後、冷房の効いたロビーで汗が引くのを待ち、フロントの方に洗面台の由来を聞いて、本館を後にしました。
 
少し歩いて塔ノ沢駅の上にある別館に移動し、近代的な浴室の温泉につかりました、ここは、一部が屋外(露天)になっており、私はほんの少し開いた頭上の空間からのぞく緑を眺めてお湯につかっていました。
 
さすがに疲れましたね、3か所目となると、湯疲れ、というやつですね。
 
ちょうど夕食の時間で、ダイニング、からは食事をとる音と楽しそうな会話が聞こえてきました。
 
さあ、私も帰る時間です、別館のそばから送迎バスで湯本へ戻り、帰路につきました。
 
そうそう、この日は、朝、湯本につくとすぐに名物の温泉まんじゅうを購入して、一日中カバンに入れて持ち歩いていました、湯本の饅頭屋さんは店じまいが早く、のんびりしていてる買いそびれてしまうので注意が必要です。
 
饅頭がお目当ての方はご注意ください(笑)。
 
これにて、たった1日(いや半日か)温泉めぐりはおしまい。