金持ちが、より金持ちになる仕組みとは言わないが…

読売オンラインより引用
 
鳥取県平井伸治知事は2日、公立高校の授業料無償化にあわせ、私立中学に通う生徒への独自の就学支援金制度を創設する考えを明らかにした。

 「国の制度では、私立中が支援の網から漏れ、義務教育なのに、高校よりも負担が重いことになる。制度の穴を埋める政策を考えた」としている。

 日本私立中学高等学校連合会によると、同様の制度を自治体が設けるのは初めてという。

 県によると、金額は、高校授業料無償化法に基づく私立高に対する就学支援金と同じで、生徒1人当たり年11万8800円(年収250万円未満の世帯は2倍)を私立中に支給する。6月議会に関連議案を提出し、可決されれば4月分にさかのぼって支給する方針。

 同県内には私立の中高一貫校が2校あり、生徒数は約220人。予算は約3000万円になるという。
 
 
 
この記事を読んで、私立の中高一貫校の位置づけが、少々気になった。
 
地方では、経済的に余裕のあるうちでは、私立の中高一貫校に子供を入れる人もいる。
 
なぜか。
 
高校受験対策である。
 
ええ!と驚かれる方もいるかもしれないが、私立から、県立の名門進学校を受験できる場合が多いのだ。
 
つまり、中学時代に、受験対策をしてくれて、もし、しくじっても、もとの学校に戻れるのだ。
 
医学部という、高学力を入試に必要とするところにいるので、学校関係のことは、いろいろと耳に入るし、ほとんどの学生が、日本全国、北から南まで、誰でも知っている進学校出身者である。
 
鳥取県の私立中高一貫校のことは調べていないので、同列に論じることは、私の不見識かもしれない。
 
もし、受験対策で私立に進学し、県立名門への受験のステップとする者がいたとしたら、その者にも支援金を払う必要があるのだろうか?
 
公立を選択しなかったことは、それなりの考えと経済力があっただろうことは確かであり、その個人的な嗜好まで、税金で支援する必要があるのだろうか?
 
今回の、公立高校無償化には、様々な問題点が指摘されている。
 
私は、一律、無償化、あるいは、支援金の支給には、大反対である。
 
経済的に困窮している世帯に対しての支援なら大賛成であり、それに加えて、優秀な生徒への、返済義務のない奨学金の支給も実現するなら、理想的である。
 
経済的余裕のある人には、国家の安寧のために、我慢して頂いて、教育の機会均等に理解と協力を願いたい。
 
現代の日本には、とくに、教育に関しては、個人主義が徹底していて、個人で、地域で、県で、国で、という支援体制が、希薄である。
 
教育は競争、では豊かな人間性など、育まれるはずもない。
 
せいぜい、教育関係の掲示板に跳梁して救いがたい書き込みをする、鼻持ちならないエリート意識を持った者を育てるのが、関の山である。
 
結局、金持ちが得をし、さらに繁栄するという、旧政権時代の悪循環が、何一つ改善されていない。
 
まさか、自己責任だ、頭が悪いやつは、黙っておとなしくしていろ、などと、今強引に進行している学力向上政策の根底に見え隠れするホンネを、公には言わないだろうが、現政権は。