先程、テレビで、東京にある、S川女学院という女子の中高一貫校の成功を紹介する番組をやっていた。
司会が、作家の村上龍で、彼は、13歳のハローワークなる本で、子どもに将来を意識させることの重要性を説いていた。
たぶん、Sという学校で、彼の主張する将来を見据えた実学的活動(キャリアデザイン?)をやっていることから、今回、テレビで取り上げたのではないかと、想像した。
あくまで、私の想像だ。
この本、うちの書棚にあるが、未だ読んでいない。
しばらく、テレビを見ていたが、とらえ所がなく、何が改善点なのか、全く理解できなかった。
校長なる人物の話すこと全てが感覚的、抽象的で、禅問答のように感じられた。
校舎を綺麗にしたり、制服をセーラーから、ジャケットとチェックのスカートにしたりと、見栄えに関しては、かなりの改善をしたことは分かった。
売りの一つに、入学偏差値が20もアップした、とあった。
進学実績が、それに連れて大幅に改善されたことは、想像に難くない。
ある女優が、W大の推薦をもらって入学した挙げ句、中退したのは、確かこの学校だった。
偏差値が上がるのは、受験教育を売り物にしたからではないか、他に考えられない。
この学校、確か、かなりの受験教育、受験体制を取っていると聞く。
昨今の親は、これに簡単に飛びつく。
同じ手法で、大幅に入学偏差値が向上し、超難関大学進学者を増やした例は、首都圏ではあまりに有名で、もう随分前から、どこも同じことをやっている。
首都圏では、昔ながらの女子教育では喰っていけないらしく、女子大付属の女子校でも、進学に特化する学校が、ほとんどだ。
教育に、思想がなくなり、大学進学実績という、絶対的な価値基準、絶対的思想?が定着しつつある。
極論してしまえば、東大に何人入るかの世界だ。
まあ、進学校化はともかく、女子教育は、昨今は流行らないだろう。
私は、教育は、シンプルなものだと考える。
派手なパフォーマンスは必要ない。
子どものご機嫌を取る必要もない。
やる気にさせるために、レジャーランドのようなまねをする必要もない。
一番嫌なのは、教育の場に、企業を入れたり、経済や経営を持ち込んで、さらに、子どもまで巻き込んで、学校の宣伝に利用することだ。
子どもは、経営感覚に触れて、一時的には楽しそうだが、果たして、必要なことだろうか。
まさに、13歳のハローワーク的内容の教育?が行われているらしいのだ。
そんな時間があるなら、読書でもさせた方が、いいのではないか、などと考えてしまう。
私は、極めて保守的であり、今日、テレビで見た様な学校の運営は、好まない。
子どもは、馬鹿じゃない。
基礎的な学力をきちんと養えば、それにともなって、自分の将来を考え、自然とそれに向かって動き出すものだ。
人生を、そう慌てて決める必要はない、というのが私の考えである。
最後に、面白かったのは、もう一人の司会進行の小池栄子が、冷めた目で、この学校を見ていたところだ。
村上龍とは、対照的だった。