東京都が、無利子で、塾代を貸すらしい。
塾に行かなくては、まともな教育を受けられない、受験に役立たない、と公が認めてしまった。
東京都に限定して言えば、ごく一部の都立高校の受験シフト強化を始めとした、受験に相当偏った施策がなされた。
その裏で、多くの定時制高校の廃止、受験に無縁の、下位高の廃止を強引に推し進めた。
下位高で、所属教師のボランティア精神により達成された、改善も、あたかも、都が主導してやらせたかのように宣伝し、都立高校改革の成果と大宣伝した。
私のブログにも、その太鼓持ちと目される人物が、相当な量の書き込みをして、都立高校改革を讃美したことがあった。
そして、和田中という公立中学に、高額な授業料で有名なSAPIXという難関校専門の私塾を導入するという、教師の教育放棄とも思える愚行を、なんのためらいもなく、都は認め、知事は讃美した。
都の公教育は、完全に死んだ。
お金がなければ、まともな教育を受けられない、と宣言してしまったのだ。
都の教育行政担当者は、恥ずかしくないのだろうか。
現都知事は、数々の失態、失言を繰り返しても、開き直っているが、都の隅々まで、この厚顔無恥な悪癖が浸透してしまったのであろうか。
公教育に問題があると分かっているなら、なぜ、その原因を改めようとしないのか。
教員の質に問題があるなら、改善案を考えないのか。
肝心なことから、完全に目を背けているのが、現在の都の教育行政だ。
救いがたい状況だ。
これでは、さらに中学受験に拍車がかかり、公立中学、都立高校に目を向けるものはいなくなるかもしれない。