東京都杉並区の和田中学という民間から校長を招いた中学で、塾による有料補習を開始するという計画が、進められていました。
東京都教育庁は、教育の機会均等に反するということで、再考を求めました。
ところが、都知事の、あの選民思想の権化は、今の教育に物足りないから今回のようなことが起こったとコメントし、杉並の和田中学を擁護しました。
だったら、公教育を、それに携わる教師を、より良いもにしようと、努力すべきでしょう。
それをしないで、まるで他人事のようなコメントを、平気な顔でする都知事に、呆れるばかりです。
無料でやるなら解りますが、安いと言っても有料です。
誰もが、月2万円を払って、この補習を受けられるのでしょうか。
この補習は、明らかに、難関校を目指したものです。
受講対象者が、成績上位者で構成されています。
そして、経済的に余裕のある親たちが、それを支持していることは明らかでしょう。
お金を持つ者が、受験教育を受けられて、高校受験を有利に進めることが出来るわけです。
これを容認する杉並区の教育委員会は、普通の感覚とはかけ離れた、特殊な人たちで構成されているのかも知れません。
こんなことが、日本中に広まらないことを祈るだけです。
公教育が崩壊した瞬間です。教育を、教師が放棄したのです。
この民間出身の校長のやり方は、結果さえ良ければ、何をやってもかまわない、という小泉がやった手法です。
小泉の提唱した、民間活力の導入という、無責任なやり方の、産物だと、私は思います。
今の都知事になってから、教育にお金をかけるのが当たり前のような感覚で、公教育改悪が推し進められています。
塾に行かないと、解答することが難し、自校作成問題を使った入試を容認したり、入学に、通塾や特集な訓練の必要な中高一貫校を作ったり、教育とは、お金をかけること、としか思えないものばかりです。
和田中の校長は、何をやりたいのでしょうか。
私には、難関校合格者を増やし、自分の評価を高めたいのではないかと思えます。
受験教育を否定しませんが、その中学の親と子供は、どうして、自分の才覚で、黙って民間塾に行かないのでしょうか。
その感覚が理解できないのです。
結果が良ければ、手段は選ばない、としか思えません。
勉強したい子供を後押ししたいなら、色々やり方があると思います。
結局、難関校狙いが明らかですので、ボランティアでは手に負えず、プロを導入することにしたのでしょう。
民間出身者らしく、短期間で、目に見える結果が欲しかったののでしょう。
都の公教育は、現都知事になってから、荒れました。
時間をかけて、公教育の使命を問い直し、その環境の向上を行うべきです。
杉並の和田中は、救いようのない現在の日本の象徴です。