体調不良でも講義は快調?

連休中は、問題なかったんですが、昨日から絶不調です。

風邪なんでしょうけど、体が重くて、何にもやる気が起きません。

午後一番に講義がありましたが、それは何とか大丈夫でした。

講義に集中していると、だんだん頭の回転が良くなり、体調の悪さも何とかカバーできました。

詳しく話すと、素性が簡単にばれてしまうのでぼかしますが、医学系の講義は、実物を見せながら解説するということが必要なため、結構たいへんです。

非常によい教科書(カラーアトラスに近い)があり、その図表を最大限に利用して講義を進めるという感じです。

医学書は結構高価ですから学生も大変でしょうけど、一生ものだからと言って、購入を勧めています。

電子紙芝居(パワーポイント)を使うという手もありますが、講演会方式の授業は、字を目で追ったり、書いたりするという学習の基本がおろそかになるので、私は、通常の講義法でやってます。

といっても、教科書にないものや、実物を提示する必要があるものは、できる限り用意するようにしていますし、パワーポイントも利用します。

ぜんぶパワーポイントで講義する教員もいるようですが、どちらが教育効果という点で良いのか、私には判断できません。

中には、自分の講義に絶対的な自信がある教員もいて、自分の作ったフォーマットにそろえたパワーポイントのスライド講義に統一しようとし、ほかの教員の不評をかった教授もいました。

医学領域では、一つの講義科目を複数の教員で分担するということが多く、かつ、講義手法が各教員で異なるので、画一化は難しいです。

それに、各教員の個性や講義手法も尊重すべきと、私は考えます。

当然、客観的にみて講義の上手な人もいれば、下手な人もいます。

声が聞き取りにくい人もいて、そんな場合は、生まれ持ったものですから大変ですね。

冗談抜きで、発声練習が必要かもしれません。

私の大学でも、学生による教員評価が行われていますが、実施方法やその信頼性などの点で、問題が多いと思います。

将来、この教員評価に基づいて、給与格差を付けたり、クビにしたりするということをにおわせる発言もありましたが、もっと議論を尽くす必要があると考えます。

下手にやったら、裁判沙汰必至です。

講義に関しては、複数の教員でごちゃごちゃやるというより、一人の教員ですべてやる方が良いと、私は考えます。

まあ、医学という領域の複雑さから、どうしても複数の教員で分担せざるを得ない講義もあります。

器官ごとの講義では(例えば消化器系とか)、解剖から病気のことまで、その器官に関係するすべての要素を講義するわけですから、一人で全部をカバーすることはかなり厳しいです。

でも、教授となった人は、本来なら、それくらいの教育力があってしかるべきだと、私は考えます。

その辺が、日本の教授選考ではおろそかになりがちです。

まあ、教育力を評価することが非常に難しいため、今のところは教育に携わった年数とコマ数だけで判断しているのが現状です。

本当は、内容なんですけどね。

内容の評価は、素人の学生の判断より、同じ講義科目を担当する教員が行う必要がありますが、これを実施するには、説得力のある評価法、基準を設ける必要があり、また、その運用の公正さが保証されるのか、ということもあって、簡単には実現しないでしょう。

体調不良から、随分脱線してしまいましたね。