春の珍事(高校野球)

野球特待生をレギュラーからはずした私立高校が、各地区の大会で,どこもボロ負けだ。

有力選手をかき集めて、チーム作りをすることにより、高校野球でのステータスを確立していたのだから、当然といえば当然だ。

スポーツ特待生として、授業料免除とか、奨学金が支給されることが、高校野球においては、違反行為となるらしい。

私立がお金の面倒まで見て有力選手を集めいたことは、公然の秘密だった。

もう何十年も前からずっとやってきたはずだ。たぶん、今話題の松坂なんかも、この恩恵を享受したのではないか。

なぜ、違反行為なら、これまで放置していたのか、不思議でならない。

プロ野球チームが有力選手を集めるためにお金をばらまいていたことに端を発し、高校野球にまで、飛び火した形だが、何でこのタイミングでという思いが強い。

いずれにしても、アマスポーツがプロ化することには私は反対だ。

アマとプロの境界が、このところゴチャゴチャになっていると感じる。

強ければ何でもいい、という考え方には問題がある。

強ければ、ルールを無視してもかまわないというのでは教育的見地から問題だ。

教育活動の一環であるべき高校野球が、プロ野球の思惑もあり、異常に加熱していることにも問題があると考える。

スポーツ特待といっても、その財源は一般の生徒の払う授業料でなのではないか。

私立は、学生を集めるために、何かの特色がほしいので、スポーツの振興に熱心なのはわかるが、度を超えた金品の授受を、高校教育の場に持ち込んではいけないと考える。

お金がないから強くなれない、強くなれないなら、そのスポーツをやらない、というのでは、スポーツをやることの意義が希薄となってしまう。

アマスポーツはどうあるべきか、ここらでじっくり議論すべきだ。

その上で、アマスポーツ振興を図るべきというなら、国がお金を出すべきだ。

つまり税金でやれ、ということだ。

スポーツ施設の整備や指導者の育成に、国はこれまで熱心ではなかった。

いつの間にか大型高性能化している軍艦や、天文学的値段の戦闘機やミサイルを購入するより、スポーツにお金をかけた方がよっぽどいい。

税金の使い道が変だから、本来国家が責任を持ってやるべきことにお金が回らず、違反行為を働くものが出てくるのではないか。

国がやるべきことをさぼっていて、民間にツケを回していることに問題があるのだ。