上位都立高の激減

新教育の都立高校入試の総括を読んでいたら、自分が漠然と感じていた、都立高校の上位校の減少が、現実であることが、データとともに示されていた。

ちょうど、現都知事の任期と合わせるように、都立上位校が減少したようだ。

偏差値による学校評価であって、学校が廃校になったわけではないが、おおよそ30校あった、いわゆる上位校にランクされる高校が、この10年で、20校近くに激減したらしい。

代わりに中堅校が増加したという分析だった。

今の都知事に関しては、このブログで、何度も取り上げてきたし、今回の都知事選で、圧倒的な支持を得て3期目に入ったが、私は、都立高校の改革を含めて、彼の教育に関する見識に異議を唱えるものである。

東京都民は、恐ろしく何も考えない集団だと、つくづく思い知らされた知事選だった。

結局のところ、公教育改革に関しては何も成果がなく、危うい思想の強制と、都立の上位および下位高校
潰しによる、進学機会の減少と、上位校受験の激化を招いただけだ。

平均点が極端に低い自校作成問題に対処するため、競争率の激化のため、塾通いを促進するようなばかげた政策しかできなかった大失敗の都立高校改革は、早くやめていただきたかったのだが、あと4年は続くことになってしまった。

この異常事態を冷静に判断できない都民がなんと多いことか。そんなに、公教育を潰したいのだろうか、都民でありながら。本当に不思議な有権者たちだ。

一部マスコミや見識のない父兄による都立高校改革への讃辞は、心底腹が立つ。

上位高校は極端な受験体制を敷き、予備校化への道を歩み、その他は、凋落への道をたどる危険をはらんでいる。

経営計画などという、受験に特化したようなノルマを掲げさせ、教育の本質を放棄したエセ教育者の集団である都の教育行政担当者たちは、この危機的な状況に入りつつある都立高校をどう考えているのか。

受験に極端に特化した日比谷や八王子東という高校の進学実績の陰に隠され報道されることのない、都立高校全体の地盤沈下を、防ぐ手だてはないものだろうか。

弱者を切り捨てても何も感じないのだろうか、知事とその取り巻きは。

新教育のレポートにある都立高校の危機的状況は、努力しないから悪いという責任逃れが許される事態ではない。

私には、意図的に教育弱者を増やしているとしか思えない。