入試問題作成は、とても気疲れするものだそうです。
秘密厳守で、限られたグループで作業するため、試験を実施し、公にしたときに初めて、問題の不備が分かることがあるそうです。
最近は、予備校のチェックがきつく、実施後、直ぐに不適当問題だ、と指摘されることもあり、担当者は、気が抜けないようです。
ある大学では、問題は自力で作成するが、試験実施後、予備校に問題の評価をお願いするところもあるようです。
予備校は、この問題は良いとか、この問題のここは不適当だ、といった具合に、入試問題を評価するそうです。
担当者は、それを参考にして、より良い?問題の作成を目指すわけです。
中には、予備校に入試問題の作成を依頼する大学もあるようです。
大学にとって、入試問題の作成は、大変な負担です。とくに、複数回入試をやる大学では、何セットも問題を作らなければならないので、大変です。
入試問題の作成には、崇高な、ボランティア精神が必要かもしれません。
俺が、この大学を支えるんだ、というくらいの心意気がある人が適任かもしれません(冗談ですよ)。
最近、入試問題を共有し、使い回そうという動きがありますが、その気持ちは十分に理解できます。
それだけ、良い入試問題を作るということは大変骨の折れることなのです。
学生数の少ない、つまり、教員数の少ない大学では、入試問題を毎年作るのは大変な負担です。
入試で問われる知識は、決まっているわけで、その有限の範囲から出題するとなれば、そのうちネタが尽きてしまい、同じような問題を出すことになるわけで、だったら、再利用を考えるのも当然のことですね。
参考書や問題集を見れば分かりますが、基本を押さえた良い問題は、繰り返し出題されるわけで、その辺の対策をちゃんとやれば、大学入試のポイントが分かってくると思います。
多くの出題者は、解答の出来ない問題を作る考えはありません。
単純な知識問題は別として、問題作成者は、何とか答を引き出そうと、答を誘導するような問題を作ります。
問題文の中に、答のヒントが隠されているのです。
それに気づくかどうかが、入試のポイントかもしれません。
確かに、要領よくやることも大切ですが、数を当たらないと、ポイントに気が付かないのも事実です。
入学試験とは嫌なものですが、現行の教育制度では、他に客観的に学力を計る手段がありません。
決して完璧な方法ではありませんが、大方の人は納得できるものだと思います。
入試は対話だ、と言った人がいますが、確かに、問題作成者は、見えない受験生に話しかけているのです。
でも、その問いかけに気が付かない人が多いのも事実です。
予備校では、問題解説の際に、その問いかけが何かを説明するようですが、そんな視点で入試問題を考えることの出来る生徒は、そう多くないでしょう。
受験生の皆さん、出題者は、皆さんに話しかけているのです。どうか、その声に耳を傾けてください。
幸運を祈っています。