伝統の重み

都立高校の話題です。

凋落したといっても、都立の伝統校(もと旧制中学や高女)で、進学校だったところは、大変な人気です。

つい最近発表された、伝統進学校の予想入学倍率は、2倍近いところが多いです。

都立高校では、2倍は大変な競争率なのです。半分落ちるのですから。

最近の都立高校改革(改悪)で、学校の序列化が一気に進んだ気がします。

日比谷を頂点としていた、都立高校全盛期をそっくり反映しています。

腐っても鯛、一度強固に築き上げられたブランド力は、そう簡単には消滅しないのですね。

かつての日比谷とは、全く違う高校なのに、それでも、日比谷は日比谷なのですからね。

限られた数の、都立中高一貫校進学指導重点校だけが栄えても、他の都立高校が衰退するのでは、公教育の使命を果たしているとは言えません。

効率重視で、まるで、私立校を経営するような感覚で、公教育を捉える昨今の東京都の教育行政に、嫌なものを感じます。

かつての栄光(伝統)を看板として、見果てぬ夢を見るより、現実を直視し、都立高校の果たすべき役割を良く議論してから、制度の改革に着手して欲しいものです。