矛盾だらけの都立高校改革

昨日の、朝日新聞朝刊を読んでいて、呆れ果てる記事に出くわした。

石原東京都知事の、必修科目未履修問題に関するコメントがのっており、その中で彼は、現場の教員に対する感想として、「大学進学実績ばかりを気にして、教育者だという自覚が足りない」というようなことを述べていた。

新聞報道には注意が必要だが、もし、それが事実なら、現在東京都がやっている、都立高校の復権?を目指した、予備校化計画は、まさに、教育の本質とは大きくかけ離れたものではないのか。

もう、うんざりだ。

東京都が各高校に課している、学校経営(この表現が気に入らない)という努力目標の中で、どこそこの大学に何人以上合格を目指す、と宣言させることこそ、教育とは縁遠いものではないのか。

今の中等教育が、大学受験の成功ということだけを目的としているようにしか思えない。

日本の親は、本当にこの事態を良しとして受け入れて続けるのだろうか。

教育は、極めて個人的なものなので、自分の子供が大学進学において有利になればそれでいいということだろう。

私の都立高校改革に関する印象としては、特定の高校への偏った支援による、都立高校全体の活力の低下と、塾通いの奨励と促進、である。

今やっている大学受験しか視野にない改革の、最終的評価は、受験に特化した都立中高一貫校の大学進学実績を待たねばならないが、小学生の塾通いを容認、いや、奨励するような中高一貫校は、果たして、公教育が税金を投じて経営する必要があるのだろうか。

塾による支援が前提となる教育など、異常でしかない。

なぜ、こんな当たり前の議論が、出てこないのだろう。