進学校はあっても、エリート校はない日本

この度の未履修問題は、一応の決着を見たが、結局、進学校の言い分を認めたというかたちだ。

今回の問題で、私が一番感じたことは、日本には、東大を始めとした偏差値の高い大学への進学を目指す、いわゆる進学校はあっても、社会の規範となり、社会を正しい方向に導く人間を養成する、エリート校はない、ということだ。

進学校という偏った学校で植え付けられた考え方で、社会を治められてはたまらない、というのが、私の率直な感想だ。

日本を愛し、日本文化への造詣の深いリーダーを養成することが急務と考える。

アメリカの戦略に乗って、アメリカ社会を日本に移植する手先となる”エリート”ならいらない。

そんなアメリカの手先となったLDの堀江や村上ファンドの村上という守銭奴が、何れも東大に籍を置いたという事実は、日本の”エリート”教育が、日本国民の安寧を願うものでなく、アメリカの儲けになるように作り替えられていることを示す格好の例だと思う。

今この瞬間にも、未履修を誤魔化した連中が、何の罪の意識もなく、受験勉強に励み、そして、来春には、大手を振って望みの大学に進学することだろう。

そして、続々と誕生する第二の堀江や村上によって、日本社会は、本当に倫理観のない、不正義で、不誠実な社会になったしまうだろう。

「美しい日本」の意味を、今一度問い直していただきたい、総理大臣殿。