日本では、ハイテクスクールをどこに開校するだろうか?

マイクロソフト社、つまりビルゲイツが、フィラデルフィア低所得者層居住地区における「未来の学校」というハイテクスクールの開校を、全面支援したそうだ。

このニュースを読んだとき、ああ、日本とはずいぶん違うなあ、と感じた。

大体、日本のお金持ちは、自分の子供を有名進学校に通わせることに血道をあげるが、他人の、それも貧乏人の教育のことなんかに関心を持ち、多額の寄付をするヤツなぞいない。

日本なら、100%の確率で、私立の中高一貫校か、公立なら、進学指導に特化した有名進学校が、ハイテク化の対象となり、学力不良な学校は、必ず除外されるだろう。

最近の傾向として、低所得と学力低下の関係か表面化しており、さしずめ、低所得者層の多い学校と、学力不良な学校は同義語になりつつある。

アメリカの、資産家は、おしなべて、社会貢献に熱心だ。

弱者に対する思いやりの態度を、その寄付行為で示すのだろう。

アメリカの人種問題に端を発する複雑な社会問題を考えると、焼け石に水的な感はあるが、何もやらない日本より、ずっと立派な行為だと、私は考える。

公がやらないから、私がやるのだが、日本の資産家のなかで、ビルゲイツほど高邁な精神を持った者がいない(いるのかもしれないが、行動に表さない)、というのも、残念でならない。

ああ、日本の公は、教育をどう考えているのだろうか。このままじゃ危ない。もう、あちこちで、崩壊の兆しが見えている。