予備校の講師に間違われた、そして今の予備校を考える

わけあって、某大手予備校に、よる8時頃行った。

用事を済まして、校舎から出ようとしたところ、ロビーにある、受付みたいなところにいた可愛い女の子に、「お疲れさまで~す」と、声をかけられた。

私、予備校の講師じゃありませんけど、と思ったけど、余りにいいタイミングで言われたので、会釈して、それらしい顔をして、出てきた。

予備校にいるのは、学生と、講師くらいだ。だから、事務系の職員じゃないおじさんは、消去法でいくと、講師ということになるのかもしれない。

格好からしても、それらしく見えたかもしれない。どことなくカジュアルっぽく(服がくたびれている)、ちょっと大きめの鞄を持ち歩いているから。

予備校も、大手となると、沢山の講師を抱えているので、アルバイトの大学生なんかは、一々顔を覚えていないのかもしれない。

私は、予備校に懐疑的な人間だが、上手く利用することによって、人によっては、効果が期待できるのかもしれない。

何時も思うのだが、自発的に勉強できる学生は、予備校に頼らなくても、かなりのところまでいくと思う。ただし、外してはいけないポイントはあるだろう。

受験勉強のコツを会得する、あるいは、編み出すためには、まずは勉強をやり込むことが必要だろう。

それもしないで、予備校に行けば何とかしてもらえる、と安易な考えでいる学生が多いのではないか。

予備校に行っていれば、受験勉強をしている気にもなるし、受験に対する不安が軽減されるのかもしれない。

予備校としては、エースである東大受験科などのハイレベルグループに実績を稼いでもらい、その他大勢は、しっかりとお金を落としてもらえば、商売は成り立つのかもしれない。

最近は、予備校も、能力主義で、成績上位者は授業料の減免などがあるらしい。

これって、エリート層を、その他大勢の庶民が支える、という図式に見えないか?

日本に、ヨーロッパで言うところの、社会に責任を果たすエリート集団がいるとは思えないが、ここでは、エリートを、学歴の高い人達、という意味合いで使っている。

成績優秀者は、経済的に、余裕のあるグループに属する場合がほとんどで、減免なんか不要な連中だろう。

経済的に厳しくて、かつ、成績優秀な者が、減免の対象となるなら分かるが、成績に応じて、機械的に授業料減免、というなら、問題アリだ。

エリート層に搾取される、貧しい庶民、という構図が、私には見えてしまう。

金持ちは、社会のあらゆる場面で有利になり、貧困層は、ますます不利になるという、上流と下流の二極化が、予備校にも見て取れる。

全ての予備校が、この制度をとっているわけではないが、大手塾がやることは社会的影響が大きいだけに、いやしくも、教育をやっているつもりなら、良識ある制度であるべきだ。

ドラゴン桜の名言で、「バカはずっと搾取され続ける」というのがあったが、まさにそれを連想させる制度だ、私の誤解がなければ。