言うだけなら簡単、創造性を育てる教育

小学生の子供が、我々を取り巻く世界にある、法則というか真理を、ズバリ言い当てて、ビックリさせられることがあります。小学生くらいになると、自分の周りにある様々な事象を、自分なりの解釈を加えて、その本質をしっかりと理解できるのです。

その気づき(真理の発見!)の下地を作るものは、学校での学習や、様々なメディアから得た知識が基本となることは確かですが、その子供が、じっくりと対象を観察できるかが、重要な要素になっていると思います。

これは、今、流行の進学塾で養成されることでしょうか?塾の先生に伺いたいものです。自然科学をやっている者として、非常に興味があります。

ノーベル化学賞の野依先生は、創造性を育てる障害となる中学受験のための進学塾を禁止しろ、と発言し、話題になりましたが、私も、どちらかというと野依派です。

ものの観察を通して、そのものを規定している何かを抽出するという過程が、創造性を育てる上で、最も必要とされることだ考えます。それには、教育者の高度な技量が必要です。そんな教育者を育てる場が、日本のどこを探してもありません。

悪玉にされた「ゆとり教育」の本質は、創造性を育てる教育の実現だったように思われます。ただ、今の日本に、そんな理想の教育をやれる教師がいなかったということが、ゆとり教育をダメにしてしまった最大の原因だと思います。

大体、ゆとり教育を推進すべき政治家や役人が、その子供を、ガチガチに勉強させる進学校に率先させて入学させていたのですから、始めから本気でやる気はなかったのでしょう。

私に良いアイデアがあるわけじゃありませんが、どうしたら、創造力を伸ばす教育を実現できるか、国はまじめに取り組む責任があると思います。

首都圏にある、国立の中学、高校は、いったい何をやっているのでしょう。国立の学校でこそ、創造性育てる教育の実験と実践をやっていただきたいものです。超優秀な子供のプライドを満足させるだけの場であるなら、なにも税金でやる必要はなく、私立にしたらいいと思うのは、私がひねくれた感情を持っているからでしょうか。

超優秀児用の学校の必要性も、以前、書きましたので、誤解なきように。