昼までに仕事が終わり、飛行機の時間まで、米子の街を歩いた。
小高い山の上に、石垣が見えた。近づいてみると、城址公園のようになっていた。
結構きつい登りをがまんすると、石垣の頂上、もと本丸跡についた。
そこからの景色は、すばらしいの一言だ。大山が手の届くように間近に見え、日本海が眼前に広がっていた。そして、満開の桜、花見を楽しむ人々。セーラー服の女子高生達が音楽をかけ、桜の木の下でおしゃべりを楽しんでいた。
この石垣、なんと柵が一つもないのだ。落ちたら大怪我じゃすまないところもある。米子市民は全然気にしていないようだ。小さな子も平気で、石垣の縁をうろうろしていて、見ている私がハラハラしていた。今時珍しいほどのおおらかさだ。
石垣の上から下へ視線を落とすと、若いアベックが寄り添ってベンチにすわり、楽しそうに語らっていた。とても幸せそうな光景で、思わず、いいもんだなあ、と声に出してしまった。この日、城の周りは、きっと幸せな人たちで埋め尽くされていたに違いない。
駅前まで戻り、醍醐という名のうどん屋できつねうどんの大盛りを食べた。ここのうどん、とても美味しくて、気に入ってしまったが、しばらくは食べることはないだろう。残念である。