子供の促成栽培

超難関中学の入試問題、とくに算数を解いたことがありますか?

小学生が解く問題か、と思うほどの難問がある。高度な数学的センスが必要とされる。

今日、進学指導重点校に指定されている都立高校の自作入試問題(数学)を解いて遊んでいたが、何日か前にやった、東大にたくさんの合格者を出している、ある超難関女子中学の入試問題(算数)の方が、よっぽど頭を使った。

小学生の子供達は、本当に理解して解いているのか、と疑問に思う。

高度な知的作業に対応できる子供が増えているということか。

受験があり、その競争に勝ち抜くために、先取り学習が有効であることはわかっている。そして、人より少しでも抜きんでるために、先取り学習の開始が、年々低年齢化している。

知育教育などと体裁ぶっているが、私には、単なる先取り学習にしか思えないのだが、少々ひねくれた見方か?

休日のYやNという進学塾では小学校低学年を対象とした知育教育のクラスが盛況のようだ。そして、その参加者のほとんどは、やがて中学受験を目指す本科に入室し、先取り学習を本格化させる。

首都圏で中学受験が一般化する前は(40年近く前の話になるが)、公立小学校から公立中学を経て、公立高校に進学しても、教育に関して、何ら問題はなかったはずだ。教育の達成度を、大学進学実績でみても、公立中心の教育でも、見事な実績をあげていた。これは、低年齢からの先取り学習は必要ないということに他ならないと思うが、どうだろうか。

先取り学習による子供の促成栽培は、子供の知力の健全な発達にプラスになるのだろうか。私には、単に競争に勝つための手段に、それも、相当無理をしたものに思えるのだが。以前、このブログで書いたが、進学塾による受験教育の問題点を心配する声もあるが、世の中は、それとは反対に、中学受験ブームにわいている。

この国のある社会階層(とくに裕福層)に属する人たちが強力に押し進めている子供の促成栽培が、真に知力の養成に有効かどうかの判断には、もう少し時間が必要だろう。不要という結論を私は期待している。しかし、子供の促成栽培を止めることは、誰にも出来ない。競争がある限り、永遠に続くだろう。