大回り(乗車)、という鉄道用語をご存じだろうか。
大都市圏(首都圏、大阪圏など)で、JRが定めた路線内を最低運賃でなるべく長距離乗車する、というものだ。
大回りには、JRが定めた決まりがあり、路線の重複乗車の禁止が基本で、その他、一見重複がなさそうな路線でも、事情によって、重複扱い、となる場合があり、注意を要する。
この辺の事情は、ありがたいことに、ネット上にあふれており、実施例とともに、画像付きで報告がたくさんあり、挑戦を計画する者にとっては、ありがたい限りである。
若いときには、首都圏の大回り、を何度かやったことがあるが、老いぼれてからは、すっかり忘れ去っていた。
で、久しぶりに、この大回りに挑戦してみた。
今回、乗車時間は、乗り継ぎ時間を含めると、8時間を超えており、不思議と尻も痛くならず、我慢できた。
若いときは、長時間、固いシートに座ってじっとしていることは結構つらいものがあったか、今回は、なぜか、苦痛に感じなかった。
若い鉄オタなら、いろいろな対処法や興味の消化方法(写真や動画を撮るなど)を心得ているのだろうが、老いぼれは窓外を眺めて、じっと座っているだけであった。
最近、ものすごくストレスを感じる環境にさらされていることから、どこか、壊れてしまったのだろうか?
まあ、鉄道の、ガタン、ゴトン、という音と揺れを心地よく感じる性質なので、老いぼれてますますそれへの嗜好が強まったのかもしれぬ。
前振りが長くなったが、記事のタイトルにある駅そばが本題である。
私が一番好きな駅そばは、あの超有名ブログの主であるきっこ氏と同じく、箱根そば、である。
相模大野駅にはホーム上に店舗があって、それも、小田原方面に向かって、かなり前方にある。
箱根そばの何が気にっているかというと、そばと汁のバランスがすこぶるいいという点である。
注文を受けると、そばを茹でるのは普通であるが、めんがしっかりと腰があり、よくある駅そばのように、少しふやけて伸びたものとは大きく異なっている。
そばは腰が命である、腰がありすぎても美味しくないが。
汁もしっかりと出汁の風味が感じられ、悪くはないが、私は、汁に関しては、もっと気に入っている店がある。
カツオの風味が強く、しっかりと、これでもかと出汁を取っているのではなかろうか。
そんなそば処であるが、そばが少々不満であり、箱根そばの麺だったら最高なのだが、とても残念なのである。
食べ物の写真を撮るのは好きではないので、撮影していないが、しっかりと味付けのされた大きな鳥の唐揚げがのったそばである。
因みに、自販機でチケットを買うのであるが、唐揚げは1つにするか、2つにするか選択することができ、さらに、他のものをトッピングするという猛者もいる。
そばや汁は、私は普通に感じるが、なんといっても、その唐揚げの大きさが売りで、結構、満足感がある。
この時はアジア系の外国人グループがそばを食べに来ていて、トランクを引いていたので、日本旅行の途中、何かのガイド記事を見て、名物のそばを食べに立ち寄ったのかもしれない、安上がりでもあるし。
残念ながら、これまで経験したJRの駅の中にある駅そばで、心を動かされたものはあまりない、といっても、駅そば巡りが趣味でないので、偉そうなことは言えないが。
味はともかく、感じのいいお店だった。
これにて、大回りで駅そばを食するという記事は終わり。