大回りで駅そばを食する

大回り(乗車)、という鉄道用語をご存じだろうか。

大都市圏(首都圏、大阪圏など)で、JRが定めた路線内を最低運賃でなるべく長距離乗車する、というものだ。

大回りには、JRが定めた決まりがあり、路線の重複乗車の禁止が基本で、その他、一見重複がなさそうな路線でも、事情によって、重複扱い、となる場合があり、注意を要する。

この辺の事情は、ありがたいことに、ネット上にあふれており、実施例とともに、画像付きで報告がたくさんあり、挑戦を計画する者にとっては、ありがたい限りである。

若いときには、首都圏の大回り、を何度かやったことがあるが、老いぼれてからは、すっかり忘れ去っていた。

で、久しぶりに、この大回りに挑戦してみた。

詳細は省くが、東海道線の某所に始まり、八王子を経て、高崎から両毛線で小山へ、小山から水戸線で友部、友部から常磐線で上野、そして、始発のひと駅前の駅に戻る、というコースである。

中でも、水戸線、は一番気に入っている、筑波山加波山の凛とした姿が望め、沿線の鄙びた風情もいい感じだ(以下の写真)。

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今回、乗車時間は、乗り継ぎ時間を含めると、8時間を超えており、不思議と尻も痛くならず、我慢できた。

若いときは、長時間、固いシートに座ってじっとしていることは結構つらいものがあったか、今回は、なぜか、苦痛に感じなかった。

若い鉄オタなら、いろいろな対処法や興味の消化方法(写真や動画を撮るなど)を心得ているのだろうが、老いぼれは窓外を眺めて、じっと座っているだけであった。

最近、ものすごくストレスを感じる環境にさらされていることから、どこか、壊れてしまったのだろうか?

まあ、鉄道の、ガタン、ゴトン、という音と揺れを心地よく感じる性質なので、老いぼれてますますそれへの嗜好が強まったのかもしれぬ。

前振りが長くなったが、記事のタイトルにある駅そばが本題である。

私が一番好きな駅そばは、あの超有名ブログの主であるきっこ氏と同じく、箱根そば、である。

小田急線を利用している方はご存じだろうが、箱根そば小田急系列の会社がやっている。

であるから、小田急線の駅とその周辺には、箱根そば、が結構ある。

とくに経堂駅の改札のすぐ横にある箱根そばは、新宿駅の店舗は除き、広々としている。

相模大野駅にはホーム上に店舗があって、それも、小田原方面に向かって、かなり前方にある。

箱根そばの何が気にっているかというと、そばと汁のバランスがすこぶるいいという点である。

注文を受けると、そばを茹でるのは普通であるが、めんがしっかりと腰があり、よくある駅そばのように、少しふやけて伸びたものとは大きく異なっている。

そばは腰が命である、腰がありすぎても美味しくないが。

汁もしっかりと出汁の風味が感じられ、悪くはないが、私は、汁に関しては、もっと気に入っている店がある。

それは常磐線の、というか、千代田線の、金町駅のホーム上にある、そば処、という駅そば屋である(以下の写真)。

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カツオの風味が強く、しっかりと、これでもかと出汁を取っているのではなかろうか。

そんなそば処であるが、そばが少々不満であり、箱根そばの麺だったら最高なのだが、とても残念なのである。

今回は、友部から常磐線に乗って、安孫子、まで行き、そこで鉄オタの間で評判となっている、弥生軒、という駅そば屋で(以下の写真)、名物の唐揚げそばを食した。

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食べ物の写真を撮るのは好きではないので、撮影していないが、しっかりと味付けのされた大きな鳥の唐揚げがのったそばである。

弥生軒唐揚げそばの写真は色々なブログで取り上げられているので、それを参照願いたい。

因みに、自販機でチケットを買うのであるが、唐揚げは1つにするか、2つにするか選択することができ、さらに、他のものをトッピングするという猛者もいる。

そばや汁は、私は普通に感じるが、なんといっても、その唐揚げの大きさが売りで、結構、満足感がある。

この時はアジア系の外国人グループがそばを食べに来ていて、トランクを引いていたので、日本旅行の途中、何かのガイド記事を見て、名物のそばを食べに立ち寄ったのかもしれない、安上がりでもあるし。

残念ながら、これまで経験したJRの駅の中にある駅そばで、心を動かされたものはあまりない、といっても、駅そば巡りが趣味でないので、偉そうなことは言えないが。

弥生軒は夕方だったが、実は、昼は高崎駅のホームにある駅そばで、かけそば、を食べた。

味はともかく、感じのいいお店だった。

これにて、大回りで駅そばを食するという記事は終わり。