日本SOS

いま、ニッポン、で戦争犯罪人の末裔によって強行されている軍事国家化と天皇国家主義の再興を、毎日の報道からヒシヒシと感じる。
 
米国の子分として、そのおこぼれをもらう為に、米国と一緒に戦争できる国へと国民生活そっちのけで暴走するアベ一味の恐ろしさ、邪悪さを再認識していただきたい、このままでは、明治期以降に構築され、太平洋戦争で一時消えたかに見えた、戦争国家の再興である。
 
以下に、私と考えを同じくするジャーナリスト、本澤二郎氏の記事を、丸々引用する。
 
心ある、日本を憂う人々よ、少しでも反対の声を上げようではないか。
 

2013年11月17日

本澤二郎の「日本の風景」(1461)

<日本SOS>
 昨日のTBS報道特集で82歳の元毎日新聞記者の西山太吉が姿を見せた。72年の沖縄返還における日米密約の機密電文を入手した世紀の特ダネ記者だ。国家犯罪を暴いた西山に対して、悪しき政府の佐藤内閣は女性スキャンダルに変質させて、重大事件を封じ込めてしまった。佐藤栄作安倍晋三の叔父だ。その安倍が、いま平成の治安維持法である特定秘密保護法案を強行しようとしている。歴史は繰り返す。戦後日本は経済的には中曽根バブル崩壊で沈没してしまったが、政治的にもこの天下の悪法で秘密の国家に逆戻りしようというのだ。まさに日本はSOSである。
 
<平成の治安維持法に抵抗しない司法立法行政言論>
 戦後、日本はすばらしい平和憲法を手にした。侵略戦争を反省・謝罪した結果のはずだった。戦前の天皇国家主義を放棄し、平和の道を選択した。
 だが、いまの安倍内閣は戦前へと突き進む法体系を構築している。これに平和を吹聴してきた公明党はいうにおよばず、民主党や維新・みんなといった自民の補完勢力が同調しようとしている。
 憲法の精神に反する秘密国家・再軍備計画に司法・立法・行政と民意を反映させる義務のある言論界は、本気で抵抗していない。危険な航海にNOと叫んでいない。不思議千万である。
 「どうにでもなれ」という心境なのだろうか。そうだとすると、いかにも哀れな日本であろうか。
<情報操作に呑みこまれる民衆>
 岸内閣の60年安保の反対闘争は、実にまともな日本が存在した。新聞が反対に立ち上がった。野党も労働者、学生、市民も国会を包囲した。
 今の日本は新聞テレビが立ち上がらない。一部の番組で小さな反発をするだけだ。アリバイ作りをしているにすぎない。そのため、民衆はこの深刻な事態を理解できていない。隣国の脅威という作られた情報に支配されてしまっている。平和憲法の求める「友好」という原理を忘れ去ってしまっている。
 天皇国家主義の罠にかかってしまっている。民衆は極度の愚民化から覚醒していない。
 新聞テレビが財閥に操作され、それを好機に国家主義政策が次々と打ち出されている。国家安全保障会議の設置は、日本の誇るべき議院内閣制を破壊するものである。「国権の最高機関」は国会である。官邸ではない。
 愚か過ぎる国会が、民主党までがこの悪法の成立に貢献している。その先に集団的自衛権を口実に「戦争する自衛隊」が待ち構えている。これら3本の毒矢は、憲法9条違反である。
<自由・民主的風土の崩壊>
 特定秘密を誰も知らない。そこに接近することで「御用」と官権が立ちはだかる。それだけで、善良な市民・公務員も丸裸にされ、永久に国家の奴隷にさせられる。
 自由人は、石橋を叩いて渡る習性を身につけることになる。閉ざされた冷たい日本を約束するだろう。そこに活力も創造も生まれてはこない。自由で民主的な風土の崩壊が待っている。
 先の総選挙で自民党有権者の16%足らずの支持しか受けていない。これも公明党創価学会が応援した結果である。それが天下の悪法を次々と、日本国憲法に反して押し付けている。
 それに抵抗しない日本人なのである。

<日本はアメリカではない>
 リベラル派の河野洋平が、自民党右翼を「ミニ・アメリカを目指している」と国会で批判したことがある。もう20年も前になろうか。自民党国家主義勢力はいま自民党を牛耳り、公明党創価学会を配下に組み入れて、戦争国家への道を驀進している。
 善良なお年寄り、歴史を知る日本人は、それが軍靴であることを、ずっと以前から感じ取っている。武器弾薬生産に舵を切った財閥が、政治を逆転させる黒幕である。日本の1%だ。
 暴利目的の財閥は、もうもうと煙が立ち上っている福島をよそに、原発の売り込みに安倍外交を悪用している。歴史を反省しない財閥は、政界に極右政権と右翼野党を取りそろえて、有頂天である。
 財閥が牛耳る日本に無知蒙昧の民衆は、仕方なくついていくしかないのか。日本は断じてアメリカではない。
2013年11月17日10時25分記