子供がやったら虐めで、大人がやったら犯罪(傷害、恐喝)か

大津市の中学を舞台にした、暴行、恐喝、窃盗、を受け続けていた男子生徒が自殺した事件が、発生後、半年以上経って、大問題となっている。
 
学校も、教育委員会も(つまり大津市も)、そして、警察も、中学校内の犯罪で自殺に追い込まれたという”事件”にしたくなかったのだろう、いつもの事なかれ主義と責任回避、支配階層の利益優先、そして、弱い者には徹底して無視を決め込むことで叩きつぶすという、ニッポン社会に蔓延した悪癖が、もろに見て取れる事件である。
 
この悪癖は、いま、ニッポン社会で起こっているすべての事案、事件に共通するものであり、なにも、大津の一中学に限ったことではない。
 
しかしである、この大津の中学の教員は、なぜ、犯罪を見逃したのか、徹底的に解明する必要がある。
 
この中学の教員は、そして、指導的立場にある教育委員会は、厳しく糾弾されるべきで、さらに、明確な形で責任を取らなくてはならない。
 
とくに、担任、学校長、の責任は重大であり、一生をかけて償わなくてはならない、当然、教員資格など剥奪すべきである。
 
こんな重大事件を起こしたからには、そして、その対応のあまりのひどさから人格が疑われてしかるべきで、だれも、教員として認めることなどないだろう。
 
この事件は、ニッポン社会を席巻する、事を荒立てて和を乱すことを異常なほどに避けたがる、という悪習慣が引き起こしたと言っても過言ではない。
 
大津市教育委員会のこれまでの対応を見ていると、まさに、その悪癖を絵に描いたような、隠蔽体質、ウソつき体質である。
 
警察が、なぜだか、この期に及んで、本格的な捜査を始めたが、何をどうやって立件して、犯罪にするつもりなのだろう。
 
社会正義が失われたニッポン社会において、果たして、真実が明るみに出て、罪ある者が、正しく裁かれることがあるのか、私は、懐疑的である。
 
この、なあなあ、体質が犯罪の温床となり、中学生という、知性も教養も倫理観も乏しい悪ガキどもをつけあがらせる要因になっていると私は考える。
 
社会の動向を、子供は敏感に感じ取っているのだ、そして、子供という悪魔は、巧妙に、社会の歪みを利用して、犯罪あるいは極度の人権侵害を、いじめ、という優しい言葉に置き換えて、堂々と働き、免責されているのだ。
 
親、子供、教師、教育委員会、市、警察、すべてが、正義の心、を持たなかったことが、こんな忌まわしい犯罪を学校教育の場でのさばらせたと私は考える。
 
ニッポン社会に一番かけている、正義とは何か、という問いかけを、初等教育からしっかりと行うべきである、米国の植民地政策に迎合した英語などに時間を浪費などしないで。
 
さもなくは、この国は、この無責任、無法国家から逃れることなど出来ないで、いつまで経っても、支配階層、利権組織のやりたい放題という現状から逃れることは出来ないだろう。
 
最後に、いじめ、は犯罪であり、人権侵害である、通常のやり方では対応不能な場合は、隠蔽せずに、早い時期に、警察に通報するか、人権擁護委員会等、中立な第三者機関に直ちに救済を求めるべきである、子供の命が失われることを防ぐためには。
 
未だ捜査中であり、ことの詳細は明らかではないが、加害者の子供とその家庭には、何か、大きな問題があったのではないかと、推察する。
 
加害者とその親は、当然、責任を負うべきである、ただし、相当重い責任であるが。
 
以下に、河北新報社の関連記事を引用する。

社説

いじめ自殺/大津市教委は何をしている

 いじめを受けていた子どもが自殺に追い込まれた。その無念さを思うとき、言葉もない。
 命を救うことはできなかったのか。学校や地域社会は自問し、最悪の結果になった理由を突き止めなければならない。
 それなのに、大津市教育委員会は一体どうなっているのか。中学2年の男子生徒の自殺をめぐる対応は問題だらけだ。真相解明への意欲が疑われるし、いじめの実態を隠したがっているようにしか見えない。
 自殺をめぐって滋賀県警が11日、暴行容疑で男子生徒が通っていた学校や市教委を家宅捜索した。昨年9月、同級生3人が男子生徒の両手を縛ったり、粘着テープを口に貼ったりした疑いだという。
 男子生徒の自殺後、父親は3度も大津署に相談したが、「事実認定が難しい」と言われ被害届は提出されなかった。
 警察の動きも鈍かったが、捜査に着手した以上、同級生らがまだ子どもであることに十分配慮した上で、いじめと自殺との関わりを調べるべきだ。
 学校や市教委の対応に問題がなかったか、自殺前後の経緯も捜査で明らかにした方がいい。
 13歳だった男子生徒が大津市内のマンションから飛び降りたのは、昨年10月11日だった。その後、学校は全校生徒を対象にアンケートを実施した。
 その結果から市教委はいじめを認めたが、自殺の原因かどうかという肝心の点になると、「因果関係は判断できない」という説明に終始した。
 ところが、15人の生徒が「自殺の練習をさせられていたと聞いた」などと回答していた。市教委はその内容を公表しなかったばかりか、十分な聞き取りもせず調査を打ち切っている。
 市教委はようやく「いじめも要因の一つ」と言い始めたが、これまでは「不明」と言い張ってきた。普通の感覚を持ち合わせているなら、「自殺の練習」が発覚した時点で因果関係は極めて濃厚と判断し、徹底した事実確認に乗り出すだろう。
 市教委の対応は世間の常識と懸け離れている。いじめに正面から取り組もうという意欲も能力もうかがえない。
 男子生徒の両親はことし2月、「自殺はいじめが原因」と大津市などを相手に損害賠償請求訴訟を起こした。訴訟を理由に市教委が「コメントできない」などと言っていることも極めておかしい。
 悪質で陰湿ないじめが公教育の現場で繰り返され、そのために自ら命を絶った可能性があるのだから、訴訟があろうがなかろうが、調査して説明する責務があるはずだ。
 いじめの問題をめぐっては、これまでも教育委員会や学校の対応が問題になってきた。痛ましい教訓が全く生かされていないばかりか、後退しているとさえ感じる。
 大切なことは失われてしまった命の重みに思いを寄せ、再発を防止することだ。うやむやにして責任を逃れようとしているのなら、もっての外だ。
2012年07月14日土曜