本当に法治国家か、この国は

先日、大事故を起こした、バス会社の社長が、逮捕された。
 
過失による事故を起こしたら、その罪の大小にかかわらず、我々一般庶民は、逮捕送検、されるのが普通だ。
 
建設工事で、けが人や死人が出た場合、適切な防護処置をしなかった疑いが濃いとして、指導監督的な立場にあった建設会社の担当者や社長が逮捕される、というニュースをこれまで沢山目にしてきた。
 
一般庶民にとってはどうでいもいい、オリンパス大王製紙の経済犯罪でも、速やかに責任者が逮捕された。
 
逮捕送検される理由は、悪いことをしたら、法を破ったら、ウソをついたら、犯罪者として罪を償わせる、という決まり(法律)があるからだ。
 
ところがである、不思議も不思議、人類最悪の原発事故を起こした東京電力や、それを指導監督する責任がある政府関係機関、御用学者から、ひとりの逮捕者も、刑務所送りもでていないのである。
 
本来なら、東電の社長と会長、自民党政権時代の原発関係者、総理だった菅直人、前経産大臣海江田、巧妙な言い回しで国民を欺いた前官房長官枝野、安全と引き替えに、莫大な研究費を懐にしてきた御用学者、責任を上手に逃れてきた官僚等々、沢山の逮捕者が出てしかるべきである。
 
思い出していただきたい、JR西日本、が起こした最悪の脱線死亡事故、に関しても、無理な運営方針を決めていた社長が何の罪も問われない、という異常な判決が出された。
 
原発も鉄道も、すべて富国強兵的な思想の延長線上にある、まさに国策の一部なのである。
 
このニッポンというアジアの猿まね国家では、国策、として政府が推進することなら何をやっても罪に問われない、という、おおよそ法治国家とは言い難い、無法、がなんのためらいもなく、反省もなく、堂々と行われ続けている。
 
国策なら、帝国主義や拡張主義のために、他国の市民や、多くの国民の命を犠牲にして戦争をしても、ほんの少しの指導者と、多くの末端の、命令に従っただけの人間をスケープゴートにして、支配階層の大部分は免責されてきたのが、このニッポンという、醜い黄色人種の猿まね国家の正体である。
 
ニッポンの法学や法律が、支配階層の自己都合のために存在するのであれば、今後も、この国は、醜いウソをつき続けて、国民を、そして、世界中の人を、欺き続けるのだろう。
 
自然や風土はこの上なく美しいのだが、ニッポン人の心の醜さがそれを台無しにしている。
 
美しい国、日本は、夢のまた夢か。