小泉改悪の功罪について質問するふりをして、結果として、小泉を賛美する答をベストアンサーとするQ&Aを発見したので、以下に、そのリンクを示す、興味のある方は、覗かれたい。
ベストアンサーの答には、社会、経済状況を考える上で参考となる数々のリンクを張ってあり、小泉改悪を肯定するために、一見、客観的なデータをしめすことで、自説の正当性を補強する目論見のようだ。
とくに、回答者は、小泉改悪によって、失業が改善され、株価が安定した、かのように解説しているが、株価の安定は、大企業の相次ぐリストラと、政府の大企業優遇政策の結果であって、その実体は、弱者へツケをまわし、涼しい顔をしている、というものだ。
輸出産業を税制上で優遇したことで、大企業は、この時期、肥え太り、かなりの内部留保を持つことができたはずである。
その一方で、派遣切り、に代表される、非正規労働を利用することで、大幅なコスト削減を実現し、労働形態の多様化、などという耳障りのいい言葉を使って、正規と非正規労働者における賃金格差を拡大させたのである。
たぶん、この非正規労働者というマジックが、一見、失業率を好転させたかのように見せているのではなかろうか。
地方に行くと、経済状況が、まったく好転していないことを実感できた。
古くからある地域の商店街はシャッター通りと化し、郊外に、大企業の大型店舗が進出し客を奪い去り、地元経済には何のメリットもない、という状況が相次ぎ出現したのは、小泉改悪と重なる。
ベストアンサーにある、ほんの数パーセントの、いや、1パーセントもない変動を、大成功、と評する経済・政治通のやり方は、非科学的、かつ、恣意的な解釈、としか私には思えないのだ。
そんな小泉改悪の犠牲になって、事故で命を落とした人、自殺に追い込まれた人、孤独死した人など、いま現在も、沢山の命が失われ続けているのだ。
小泉改悪以来、この10年でニッポン社会は金を持っている者が偉く、特権を与えられて当然、という社会風潮が拡大した。
金のない者、稼げない者は、死ね、とでも言いたげである。
何の思惑か知らないが、オヤジと竹中の悪政を総括することなく、また、自民党の数々の犯罪を謝罪することなく、政治批判を繰り返す、小泉の息子、には吐き気を催す。
いずれにしても、この絶望的な社会風潮は、国民がその矛盾に気づき、改革するしかないのだが、ニッポン人を観察していると、そんな覇気はまったく感じられない。
一体、ニッポン人は、何を幸せの尺度として生きているのだろうか。