AIJによる年金基金運用損失隠し

中小企業を中心とした年金基金の運用を引き受けていた、AIJという投資顧問会社による2000億円にも及ぶ損失隠しが表面化し、大問題となっている。
 
不思議なのは、いや、呆れかえるのは、巨額の損失が出ていることを、AIJが虚偽報告をしたから、と無責任に言い放ち、自らまったくチェックしなかった基金側が被害者面している点だ。
 
それもだ、社保庁のOBが、大量に、これら年金基金天下りしており、さらに、その多くが、年金の運用に深く関与する立場だったということだ。
 
私は、このOBたちの無責任、無痛の感覚に、世間の常識とは、あまりにかけ離れたものを感じる。
 
まさに、役人、官僚の感覚である。
 
以下に、関連記事を引用するが、お読みいただければ分かるように、天下りOBは、まったく反省しておらず、誰も見破ることはできなかったと、暢気に自己弁護しているのだ。
 
彼らは、自分は、天下った年金基金には、いらない人間だった、と自ら認めている訳で、それを、堂々と言い放つ感覚とは、どうやったら身につくものか、教えてもらいたいものだ。
 
こんな社会で本当にいいのだろうか、ニッポン人は。
 
さて、次は、電気料金値上げを脅しに使った、原発再稼働キャンペーン、が激化し、産業界は利権維持のために、一致団結して、応援する、という図式で、原発を次々と、合法を装い、動かすことだろう、国民の命と引き替えにだ。
 
自国があたかも民主主義国家や平和を愛する国家のように、盛んに宣伝してきたニッポンというインチキ国家であるが、ある意味、北朝鮮や中東の独裁国家よりたちが悪く、それをまったく気にとめない国民の多さに、私は、驚愕と絶望させられる毎日である。
 
さらに、そんながたがたな国を操る米国とは、本当に信じがたい国家である。
 
 

<AIJ問題>旧社保庁OBの天下り 被害拡大の一因か

毎日新聞 3月5日(月)15時1分配信
 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題を機に、全国の厚生年金基金に旧社会保険庁(現日本年金機構)OBが05年時で600人以上、天下りしている実態が明るみに出た。多くはノンキャリアで、資産運用の経験は乏しいとされる。構造的な天下りが問題を拡大した一因ともみられ、OBの一人は毎日新聞の取材に「資産運用の経験は全くなく責任を感じる」と述べた。一方で、別のOBは「相手がうその説明をすれば誰が運用しても結果は同じ」と強調した。【町田徳丈、松本惇】

 AIJと取引があった甲信越地方厚生年金基金天下りした60代の社保庁OBは、10年前に社保庁の地方機関の人事担当者から打診され、2年前まで常務理事を務めた。後任は社保庁OBを自ら推薦した。

 07年から始めたAIJとの取引については「リスクを避ける分散投資」と説明。基金の運用方針を決める運用検討委員会にAIJの浅川和彦社長が自ら出席し、「自信にあふれた話しぶりが印象的だった」という。

 この厚生年金基金も損失を出したとされ、OBは「再就職の前に運用経験は全くなく、正直不安だった。天下りは見直すべきで、結果的に責任を感じる」と胸中を吐露した。

 販売業界でつくる厚生年金基金の60代の元常務理事は、社保庁の下部組織の出身。「ポストが引き継がれるのはこの10年や20年ではなく、もっと前からだ」と証言した。

 保険料の徴収や年金支払い業務を熟知したノンキャリアの職員を再就職先として基金に送り込む仕組みを「役所の常識」と解説。「50歳で役所を辞めて基金に行かないかと打診される人もいた」という。

 この基金はAIJへの委託はなかったが、運用知識は乏しいOBの天下りが問題を拡大させた側面があることに対しては「虚偽の説明をされたら誰がやっても同じ」と主張した。

 2年前まで製造業界の厚生年金基金の常務理事を務めた60代のOBは、運用損を抱えていた基金の収益を上げるためAIJへ委託。情報誌の人気ランキングで首位だったことがきっかけという。

 「天下りで運用経験がなくても、委託を決定するのは合議制。どういう知識があればよかったのか誰にも分からないはず」と釈明した。