スポーツを脅しや嫌がらせに使うな

中部電力の発表によると、あの世界一危険な原発、静岡の浜岡原発を停止したことが原因で業績が悪化する見通しであり、その穴埋めのために広告宣伝費を大幅に削減するとして、J1名古屋グランパスへの広告(スポンサー契約)を取りやめるらしい。
 
あくまで見通しであり、実際はどうか分からない、まあ、意地でも赤字の収支報告を出してくることだろう。
 
収支報告書?決算書?を専門家に精査して欲しいが、電力会社自体は、経営努力、企業努力の必要性がゼロの、地域独占殿様企業であるので、不都合は、すべてほかに押しつけ、自分はなんの努力もしない、ということなのである。
 
中部電力の体力からすれば、これくらいのはした金などケチる必要はないはずであるが、電力会社の広告宣伝がはばかられる現状から、経営状態とは関係なく、ちょうどいい言い訳だったのだろう、これまで原発の正当化のために湯水のごとくつぎ込んできた宣伝費を削減する口実として。
 
原発推進の広告はまずいからやめます、とは口が裂けても言えないのだ。
 
中部電力の意図は明白である、つまり、
 
 原発を止めた→経営が悪化→広告宣伝費を削減→社会貢献ができなくなる  →やっぱり原発は必要
 
ということだ。
 
恐ろしいことに、浜岡が再稼働できたら、お金を出してもいいですよ、という落ちがついていて、再稼働をネタに脅しをかけているとしか私には思えないのだ。
 
電力会社、電力利権は福島後も何の反省もなく暴走し続けていて、政治も司法も、だれも彼らを止めることができず、いや、積極的に支援しようとさえしているのが現状である。
 
本当にスポーツを通じた社会貢献が必要と考えるなら、金だけ出して、広告は辞退すればいいことだ。
 
しかも、この広告費も、電気料金に平気で上乗せするわけだから、日本の電力会社とは、利用者に何でもツケを回すという資本主義における企業とは大きくかけ離れた、まるで、社会主義体制下の国営企業と同じ思想性で運営することが許されている特権組織なのである。
 
そう言えば、中部電力は、あの女大前研一を標榜する無責任、自己中守銭奴、頭のどこかの回路が切れている勝間や、なんのコメントも出さず平気でTBSテレビの朝の番組に出続けている、薬丸と岡江という原発推進派芸人を使って、派手にプルサーマルの宣伝を繰り返していた。
 
以下に、新聞報道から、関連記事を引用する。
 

中部電、グランパスのスポンサー撤退へ

読売新聞 1月14日(土)19時48分配信
 中部電力名古屋市)はサッカー・J1リーグ「名古屋グランパス」の公式スポンサーから撤退する方針を固めた。

 政府の要請に基づく浜岡原子力発電所静岡県御前崎市)の全面停止で業績が悪化し、2012年3月期の連結営業利益予想が1300億円の赤字と、1951年の会社設立以来初の営業赤字に転落する見通しのため、広告宣伝費を大幅に削減することにした。

 スポンサー契約は1年ごとの更新で、中電は2008年度から公式スポンサーに加わった。スポンサー料金は年間数百万~1000万円強と見られる。撤退によりユニホームの袖についていた社名広告は来年度から外される。グランパスの運営会社への出資は継続する。ただ、将来的に浜岡原発が再開し、業績が回復すれば、再び公式スポンサーに復帰したい考えだ。
 
最終更新:1月14日(土)19時48分