御用学者を信じるのは勝手だが

政府は、その行政支配を崩したくない一心で、そして、なるべく手間暇、そして、お金をかけたくない、という考えから、除染、というインチキを持ち出し、さらに、除染を前提にして、高濃度汚染地域に人を帰す、住まわせる、という悪魔の決断を下した。
 
該当地域の住民達、そして、一部、農業従事者には、放射線被曝の影響を過小評価して、楽観論をふりまく御用学者、御用学説、を支持する人も多い。
 
以前記事にしたが、放射線被曝の影響は、人体実験ができないため、主に、疫学的データに基づく危険度の判定がなされてきた。
 
この疫学というのがくせ者で、放射線被曝の影響を評価する際に、影響を構成する様々な要素を、その研究者がどれほど重要視するかで、そして、統計処理の仕方で、結果が大きく異なるのだ。
 
つまり、同じ疫学データを用いても、放射線被曝の影響をいかようにも評価可能なのだ。
 
疫学という学問の客観性の乏しさから(反論はあるだろうが、私はこう信じる)、政治に利用される運命なのだ、この学問とその研究成果は。
 
日本は、放射線被曝の影響に関しては、悪影響の見積もりが甘いが、採用する国が多い、ICRPの基準を採用していたが、今回の福島原発事故では、それさえも遵守することが難しくなり、放射線業務従事者に対する基準を、一般人、それも、乳幼児にさえ当てはめ、とてつもない被爆を、国民全員に我慢させるという、悪魔の選択をした。
 
錯覚させられているので、強調しておくが、政府は、公式には、福島原発事故以前の安全基準、一般人の年間被曝限度1ミリシーベルトの遵守を表明していないのだ、単なる、努力目標という、まことに曖昧で、無責任な状況が今なお続いている。
 
これほどまでに、放射線被曝の影響を過小評価し、何もなかったことにしたい理由は、上に述べたとおりであり、日本中に張り巡らされた様々な利権の保護を最大目標に掲げているからだ。
 
利権には、農業も水産業も関係している、決して被害者という位置づけだけではないのだ、そして、無関心を装う、無責任な都市生活者も、当然のことながら、加害者、である。
 
このような現状を踏まえて、もう一度、放射線被曝の現状について、科学的かつ客観的な論理に基づき一貫して反原発を唱えてきた、いま、日本で一番信頼のおける原子力研究者である、小出裕章さんの解説を聞いて欲しい。
 
以下に、たね蒔きジャーナルから、小出さんの出演部分を転載する。
 
 
 私は、高レベル放射性廃棄物を東京に保管すべきと考えている、例えば、東電ビルや都庁、お台場などなど、私の居住する地域でもいい。
 
ただし、焼却して放射性物質を環境に放出し汚染を広げることには大反対である。
 
食品に関しては、正確な汚染状況を一般人には知らせないという政策がとられているので、東日本産、という農産物(福島県産を含)を、毎日食べる、食べさせされることで、責任を果たすしかないと考えているし、実際そうしている。
 
一次産業、つまり農業や水産業を守るために小出さんが提案している汚染食品に関する取扱い法、を支持するが、彼の案は政府がやらなければ、絶対に実現不可能であり、日本国民は、産地によって汚染の程度の違いはあるものの、放射能汚染食品を食べ続けなければないないのだ。
 
繰り返しになるが、官僚と政治家は、あまりに非情な政策を粛々と実行すること、いや、出来ることにに安堵して、快感を覚えているのかもしれないが、せめて、乳幼児には、汚染の最大限に少ない食物を提供することを義務づける政策を緊急に実施すべきである、原発を容認してきた大人は死んでも仕方がないが、子供には罪がないのだから。
 
追記:ネット上では、御用学者の身勝手な学説を吹聴している個人?のブログがあるが、研究報告を引いて論理的な文章を書いているつもりのようだが、その引用学説が、コンセンサスを得たもではなく、特定の意図を持った人間に都合のいいものばかりである。その手のサイトの共通項として、放射能ヒステリー、アレルギー、過敏、という感情面を攻撃して、放射線被曝の危険を心配する人を蔑むものがほとんどである。個人の意思でやっているなら、人格的な欠陥を抱えているのだろう、その手の輩は。