除染するしかない=戦争するしかない

どうしても行政単位としての福島の維持に固執する政府は、除染、により放射線量を低減することによって、住民を呼び戻そう、あるいは、危険を抱えながら生活することを受け入れさせようと企てている。
 
以下に、その関連記事を引用するが、よく読んでいただきたいのは、居住地域の大部分は除染?出来ない山林や田畑なのだ。例え、住宅を除染したとしても、周辺環境が汚染されていることから、速やかに、放射能の侵入は始まり、再び汚染レベルは高くなることが予想される。
 
以前、NHK特集の番組内で、二本松市の一軒の家を、科学者と市の職員が総出で除染実験をしたところ、放射線量はおおよそ半分に低下したが、それでも、年間の被曝線量に換算すると、1ミリシーベルトを軽く超えてしまうのだ。汚染の酷い地域、マイクロホットスポットに当たる場所では、除染の効果に、過大な期待を持つことは危険である。
 
原発周辺の超高濃度汚染地域を除き、汚染地域で暮らすかどうかは、国が避難を奨励しない現状では、個人の判断にゆだねられている。
 
避難が基本だと私は考えるが、それが難しいなら、最低でも、国は、汚染の実態を詳細に調べ、住民に、それも、各個人にその居住環境の汚染の程度を知らせ、今後起こりうるリスクを過小に評価することなく説明した上で、そこに住むかどうか判断を求めるべきだろう。
 
心配なのは、政府と県が、とこかく、住民を元に戻そうと躍起になっている点である。とても、住民の健康を考慮した適切な説明がなされるとは思えないのである。
 
除染という言葉を政府が持ち出してきたが、私は、この言葉に、政治の都合で国民の生命財産を危険にさらすという決意を読み取る。
 
除染は、戦争するしかない、と判断した太平洋戦争のときと同じ思想により実行されると私は考え、恐怖するのだ。
 
 
引用、ここから。

東日本大震災福島市が除染計画 10月下旬、大波地区から実施 /福島

毎日新聞 9月28日(水)10時38分配信
 ◇2年で放射線量1マイクロシーベルト以下に低減など目標
 福島市は27日、放射性物質の除染計画を発表した。2年間で大気中の放射線量を毎時1マイクロシーベルト以下に低減し、将来的には年間の被ばく線量を1ミリシーベルト以下にすることを目標に掲げた。10月下旬にも、土砂の仮置き場が確定している大波地区から本格実施する。
 線量が市内で比較的高い渡利、大波地区を最重点除染地域、一部で線量が高い8地区も重点除染地域として、優先的に除染を進める。市は「多くの仮置き場を確保できない」として、自宅敷地内などの民有地や公共施設で除去した土砂は、国の中間貯蔵施設ができるまでは、敷地内に埋める手法を示した。道路や側溝の土砂を運ぶ仮置き場を市内数カ所に設置する方針で、交渉を進めている。山林や農地は除染方法が確立していないため未定。
 市内11万世帯の大部分について、市は全国から募ったボランティアと協力して、市民自らが除染することを提案。市が除染を実施するのは、公共施設▽道路・側溝▽毎時2・5マイクロシーベルト以上か、18歳以下の子どもや妊婦がいる2マイクロシーベルト以上の住宅。
 瀬戸孝則市長は会見で「作業をすべて市がやるには人手が足りない。すみやかに除染を進めるには市民の力が必要」と理解を求めた。屋根の除染は危険なため、業者に依頼する。【町田徳丈】

9月28日朝刊