福島のある農家

福島県伊達市霊山町の大武農園さんは、所有されている畑や近隣で、放射線測定をされています。
 
阿武隈山地を控えた伊達市一帯は、どことなく懐かしい日本の風景がひろがっていて、いいところですね。
 
大武農園さんは、CDV-700という、核戦争に米国市民が備える目的で作られた、50年近く前の米国製ガイガーカウンターを入手されて、毎日、測定した結果をホームページにアップされています。
 
リンクは張ってないですが、Youtube上にあるCDV-700を使った測定状況の動画も、たぶん、大武さんのものだと思われます。
 
以下に、本日の測定結果のリンクを載せておきます。
 
 
伊達市は、福島市の北に位置していて、運悪く、放射能のフォールアウトに襲われ、局所的ですが、高濃度の汚染が見られます。
 
伊達市は、学校を中心に、放射能汚染除去と被曝対策を早急に開始するそうです。
 
それは喜ばしいことですが、環境にばらまかれた放射能は膨大な量で、とりわけ、農地の汚染は、主要産業が農業の伊達市にとっては、死活問題なのです。
 
大武農園さんは、キュウリ、葉もの野菜、特産のあんぽ柿や各種桃を耕作されていて、くだものは通販で全国的に販売されてきたようです。
 
ホームページでは、個人では、そして、例え、公が関与したとしても、どうすることも出来ない耕作地の放射能汚染を前にして、苦悩されている様子がうかがえます。
 
本日の放射線測定では、県の調査でホットスポットとされた小国茶畑というバス停付近の堆積物から21マイクロシーベルト(μSv/h)という高い値を検出されたようです。
 
雨が降ったので、あちこちの放射能がドブに流れ込み、その堆積物の中に濃縮されたのでしょう、とんでもない高い値です。
 
単純に計算すると、一年で、積算で200ミリシーベルト以上になります、福島第1原発の中で作業している人たちと同じレベルの放射線量です。
 
ドブじゃないか、という声が聞こえてきますが、この地では、住民はフィルターのついた高性能マスクも防護服もなしで生活しているのです。
 
その放射能まみれの空気や土埃をこの瞬間にも体内に取り込んでいるのです。
 
こんな過酷な環境を我慢させ続けるのでしょうか、伊達市は、福島県は、そして、政府は。
 
長期間にわたって健康に悪影響を与え、生活を破壊し尽くし、ひとの人生をメチャクチャにする原発に、これ以上固執する必要などありません。
 
他山の石、という感覚でいる西日本や九州、そして、北海道の方々も、自分の地域にある原発が事故を起こし、放射能をまき散らかすことで、自分の生活が破壊される可能性があることを真剣に考えて欲しいです。
 
命と、補助金、どっちが大切でしょうか。