これはもう、犯罪です

まずは、引用。
 
スポーツ報知 10月20日(水)8時0分配信
 第19回「詩と思想」新人賞に選ばれた作品がインターネットからの盗作だったとして主催者から受賞を取り消された秋田市の中学3年生の少女(15)の保護者が、群馬県前橋市と福岡県柳川市のコンクールでも同様の盗作があったとして受賞の取り消しを申し出たことが19日、分かった。両市は申し出を受け、賞を取り消した。中学校によると、少女は入学以降50以上のコンクールに応募し、24作品が入賞したが、前橋市柳川市に応募した2年分計3作品の盗作を認めた。

 中学校によると、少女は主に詩や論文などの作品を学校経由ではなく、個人的にコンクールに応募していた。入学してからの応募総数は50以上とみられ、入賞数は2008年に3、09年に14、10年に7の計24作品。選考途中まで進んだのは10作品あった。学内では、表彰数がずば抜けて多いと評判になることもあり、校長が朝礼などで少女の受賞を紹介したことが数回あったという。

 少女の保護者は学校に対し、主にインターネットの投稿掲示板「プロ詩投稿城」からほぼ全文をコピー&ペーストするなどの盗作を繰り返したと説明している。盗作発覚の発端となった第19回「詩と思想」新人賞の受賞は10日に決定したが、地元紙が少女の取材をしようと問い合わせをしたところ、様子がおかしくなり、保護者に対し、盗作を認めたという。

 少女は第19回「詩と思想」に応募した作品以外に、新たに3作品の盗作を認めた。今年の前橋市「第14回詩(うた)のまち前橋若い芽のポエム」では金賞を獲得したが、保護者が辞退を申し入れた。また、柳川市出身の詩人、北原白秋をしのぶ「白秋祭」で詩碑の前で朗読される「白秋献詩」でも、09年に文部科学大臣賞、10年に知事賞を獲得したが、いずれも保護者が「ネット上の作品と酷似している」として賞の取り消しを申し出た。校長は「このようなことになり、大変残念に思っています」と話した。

 国内初となるコピペ判定ソフトを開発した金沢工業大学の杉光一成教授は「コピー&ペーストは“麻薬”のように常習性がついてしまいます。簡単に、技術なしで完成された文章を自分が書いたような錯覚に陥ります。周囲の期待もあるし、やめられなかったと思いますが、カンニング、詐欺行為といえます」と指摘した。

 また、ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「生徒だけでなく、役所、学生、会社員、メディアと程度の差こそあれ、あらゆる現場でコピペは横行しています。最終的には、著作権とどう向き合うのかという問題。自由な競争の中で独創性は育まれていくと思います」と話している。

引用ここまで。
 
というふうに、引用もとを明確にすることが、コピペをやる時の、最低のエチケットである
 
科学論文では、当たり前のことであり、あたかも自分が創出したような口ぶりで考察したりすることは、厳に慎むべきこととされている。
 
以前、この秋田の中学生の盗作に関しては記事にしたが、実態は、常習性があり、極めて悪質だったわけだ。
 
あれほど個別の学習指導を自慢していた秋田県だが、当該中学生の学校では、この生徒が、どれくらい詩の才能があるのかと、日々の学習を通じて、把握できなかったのだろうか?
 
手厚い教育を自慢している秋田県だが、国語教員は、何を指導し、何を見ていたのだろうか、きちんと検証すべきである。
 
中学校が、単に、学テ対策に明け暮れているなら、当然のこと、このような犯罪に気づくはずもないだろうし、当該中学生の親も、あまりに暢気すぎないだろうか。
 
自分の子供が、どれくらいの文章力を持っているか、本当に子供のやることに興味を持っていたら、分かりそうな気がするのだが…。
 
家庭教育、学校教育、が学力向上運動に目を奪われて、大きくゆがんだことが、誰も入賞回数の異常な多さ、つまり不自然さに気がつかない、という無責任な状況を創り上げてしまい、この中学生の犯罪を見逃し続けてしまったのではなかろうか。
 
秋田県と当該中学には、個人の問題にとどめることなく、しっかりとした事件の検証をお願いしたい。
 
それにしても、最後のITジャーナリストのコメントは、全く意味をなしていない。何が言いたいのか、もう少し、教育の問題という観点からものを考えるべきではないか。ITなどと浮かれていると、こんな程度のコメントしかできなくなってしまうから、注意が必要なのだ、全国の親たちよ。