朝日新聞、おまえもか

朝日新聞の朝刊の一面に、入学に特別な対策が必要な、特権的都立高校で、予備校の講師による授業を大々的に取り入れて、さらなる受験対策を推進する、という記事が、バーンと、掲載されていた。
 
署名付の記事で、岡雄一郎、とあった。
 
社会のニーズに答えなくてはらないないからだ、という都教委幹部のコメントが、最後に載っていたが、私に言わせれば、身勝手な言い訳、にすぎない。
 
ようは、イシハラの選別教育の推進ということに他ならないからだ。
 
朝日新聞も、都立高校改悪を、意図的に、ヨイショしていることがはっきりわかった。
 
この、岡なる人物は、進学指導重点校7校の東大合格者(でた、東京都の大好きな東大だ)が、2004年の35名から、2010年(今春)には85名に増えたことが、都立高校改革?成功の根拠のような書き方をしている。
 
この御仁、都立高校全体の東大合格者数には、大きな変動がないことには、まったくふれていない。
 
開成高校でさえ、何十人という変動が当たり前なわけで(50人くらい変動することもある)、それを勘案すれば、受験特化教育の効果は、ほとんどない、と考える。
 
ただ、最近の経済状況の悪化で、本来なら私学の有名進学校に行くべき子供が、若干名、都立に流れていることは、あり得るだろう。
 
繰り返し指摘しているが、進学指導重点校、とくに日比谷高校に、全力を挙げて、東大合格者を集めたのが、この極端な受験シフトの、本当の姿なのだ。
 
全都立高校から、東大合格者を吸い取り、進学指導重点校、とくに日比谷に集約させたことを、この岡なる人物は、知っているはずだ。
 
都の宣伝に呼応して、多摩の奥地から、近隣の進学校をすっ飛ばし、はるばる、進学指導重点校の中の、さらに銘柄高校に通う子供が出現しているという実態をご存じないのか?
 
記事の内容は、日比谷高校の東大合格者数と関連付けることによって、あたかも、受験指導の効果があったかのように宣伝するという、いつものパターンである。
 
朝日は、イシハラの選別教育、教育格差助長教育の、提灯持ちであることが、ハッキリした。
 
いや、教育なぞしていない、単なる政策である。
 
朝日には、日比谷高校卒業者が多いのかもしれない、などと、穿った見方をしたくなる。
 
まあ、朝日とは、何時の世も、提灯記事がお得意な新聞社だったし、イシハラのご機嫌を損ねてまで、教育行政を批判するような記事を書くはずがない。
 
都立高校では、いつも私が指摘しているように、さらに受験教育が推進され、経済力を有するものが、入学にも、入学後も、圧倒的に有利な状況となり、経済格差による教育格差がさらに拡大するだろう。
 
これが、公教育なのか?
 
誰のニーズに答えているいるのか、都教委幹部は、その根拠と数字を明らかにすべきだ。
 
いや、できるはずもない、選別が目的なのだから。