優しい時間

巷で、平原綾香嬢のジュピターが大ヒットしていたとき、私は、努めて聞かないようにしていました。

あの歌い方、生理的に受けつけません。

彼女の支持者はたいへん多いと聞くので、きっと私の感性が変なのでしょう、ともかく、私は、好きになれません。

最近、ひょんなことから、テレビドラマの、優しい時間、にはまりかかっていて、そのタイトル曲を彼女が歌っていて、一瞬、ひいてしまいましたが、しょうがない、ドラマはドラマだ、と我慢して、視聴してみました。

ドラマ自体は、放送当時は、何とも感じなかったし、一度も見ませんでした。

どうも、倉本ものは、私の感性には、合わない、と決めつけていました。

ところが、つい最近、何かの拍子に、優しい時間、をちょっとだけ視聴する機会があり、痛く気に入ってしまいました。

北の国ほど、濃くないからか、それとも、お決まりの朗読というか、ナレーションが入らないのがいいのかも。

でも、タイトル曲は平原です。

きついなあ、と思いましたが、致し方ありません。

なぜ、彼女を好きになれないのか、我慢して、タイトル曲の、明日、を聞いてみました。

いい曲ですよね、カナダの癒し系音楽家アンドレ・ギャニオンの作曲ですが、私は、なぜか、癒されるというより、感情を揺さぶられ、今思い悩んでいること、優しくして下さった人々、亡くなった人たち、昔の切ない思いで等が、心の中に走馬燈のように現れては消え、自然と涙がこぼれてきます。

このところ、ピアノだけのをネット上で見つけ、聞いてます。

でも、ご本人の演奏が、一番ですね、ケチっちゃダメですね。

で、平原の件ですが、どうも、彼女の息継ぎ音(ブレス音)のハアー、フウー、シューという異音が、癪に障るようです。

歌い出しのところで、思いっきりブレス音をさせています。

合唱コンクールの講評で、ブレス音についてよく注意を聞きますが、平原さんは、気にしていないのでしょうか?

あれは、わざとそうしているんでしょうか、私には美しく感じることが出来ません(ごめんなさい)。

そして、彼女の声の質と発声が、不自然に思えるのです。

よくもまあ、ど素人が、と思われる向きも多いかとは思いますが、とくに、息継ぎ音、勘弁です。

平原嬢の代わりに、男声でやってくれれば、結構味わいがあったと思いますが、どうでしょうか。



ドラマは、気に入りましたが、まだ全部観ていません。

ゆっくり、時間があるときに、くつろいでみたいものです。

親と子の感情のもつれ、親と子であっても、一個の人間として、ぶつかり合うときがあります。

現に、子を持つ親として、日々、そんな経験をしています。

絵に描いたような幸福な家庭など、そうあるものではない、と思います。

ひとそれぞれ、様々な悩みを抱えて生きているのが、現実です。

そんな現実を、さりげなく描いているのが、優しい時間、の良さ(優しさ)だと思います。

あのドラマでは、連れ合いが、小学生までいたアメリカの町(夜のシーンでよく分からない)がちらりと出てきます。

いいところだったようです。

ちょっとミーハーですが、機会があったら(案外早いかもしれません)、富良野にある、ドラマの舞台になった喫茶店、森の時計、を訪ねてみたいです。