憲法

憲法問題を正面から取り上げる力量はないのですが、堅持するものは堅持し、時代に合わないものは、根本理念といえでも、改正する必要があります。

いずれにしても、自己都合でごまかさず、しっかりと憲法論議をするべきだと思います。

突っ込んだ議論をさけ、その時々に応じた都合のいい解釈でこれまでやってきましたが、ここらで本腰を入れて、見直すときです。

アメリカの押しつけ憲法といって、現行の憲法を批判し、安全保障とからめて、九条の見直し(破棄)を声高に叫ぶ人もいますが、私は、この崇高な理想が憲法に明記してあることに、誇りを持っています。

ただし、国民の生命が危機にさらされる事態に対処するにはどうすべきか、という議論をきちんとする必要はあるわけで、それを克服して、さらに、この九条の理念を堅持することは可能と考えます。

国民の総意にもとづき、という文言が憲法上に見られますが、もし、かつてのような暴力を背景とした狂信的運動により、軍国主義ファシズムが台頭することがあれば、一気に、昭和初期の暗黒時代に逆戻りする危険性を内蔵した憲法であることにも、不安があります。

私は、この憲法に秘められたからくりが、一番心配です。

当時の軍部、そして、ある思想に傾倒した人々には、国民という視点が全く欠如していました。

そして、国民は、頭を使わず(今とよく似た状況です)、狂信的運動にただただ煽動され、破滅を選択しました。

大切なことは、最高権力者だけでは、国家は成立しないということです。

あの恐ろしい時代にだけは戻りたくないものですが、憲法の問題点を考慮すると、その危険性を常に意識する必要があるように思えるのです。