歴史の歪曲?

驚くべきというか、人間とは、懲りないというか、あんな酷い目にあった戦争の反省が、全く生かされていないことが起こった。

航空幕僚長の田母神という人物が、先の大戦が、植民地政策のための侵略戦争ではなかった、という内容の論文を、民間の懸賞論文に応募し、最優秀賞を受けたのだ。

この人物の歴史認識は、現政権のトップも、共有するものであって、そんな背景からか、侵略の先兵となる軍事の最高司令官も、安心して?確信を持って、論文を公表できたのかもしれない。

国の中枢にいるものが、極端な国粋主義と幼稚な論理しか持っていないことに、驚愕した。

断っておくが、私は、日本、そして日本の文化に、誇りを持つ者である。

自己都合ばかりで、論理的というまやかしに彩られた外国文化に疑問を感じており、日本、そして日本文化の美しさを、この上なく尊く思っているのだ。

それと、今回の件は、話が全く別だ。

近代の軍事専門家は、バランス感覚が求められているのだが、もう、我慢することはない、ということで、プッン切れて今回の騒動を、批判覚悟で演出したのかもしれない。

現政権のトップも、さすがに、その辺はわきまえていて、アジア外交には慎重であるが、その笑顔の裏は、透けて見えすぎて、中国も韓国も、様子を見ているところだろう。

そんな折、この田母神なる人物の、論文が出たのだ。

面白いのは、この懸賞論文は、耐震偽装マンションとホテルの、アパが主催しているところだ。

このアパは、前首相のアベの仲間で、強力な後援者である。

アパは、色々な意味でうさんくさいことをやっていると思われているが、政治に深く食い込んでいるので、先の耐震偽装のときも、上手く誤魔化した。

アパのトップのあの御仁は、美しい国、日本の心酔者だろうから、今回の論文には、痛く感銘したのではないか。

アパの懸賞論文の募集の趣旨は、歴史を違った観点から考える、ということらしいが、それは偽装で、結局は、歪んだ国粋主義を容認し、支持するという、裏の顔が透けて見えるのは、私だけだろうか。

アパ、と聞いたときに、この懸賞論文が、ある意図を持って募集されたのでなないかと、瞬時に感じた。

そして、それに応じるがごとく、田母神なる人物の論文が提出された。

すべて、ある意図を持って仕組まれた、懸賞論文のように思えてならない。

必ず、大きな議論を巻き起こすだろうという、意図のもとにだ。

現政権に巣くう者達の、幼稚さには、あきれ返るばかりである。

政権交代、急がねば。