食傷気味

数学者の本を読み進めようと、張り切っていましたが、なかなか手に入りません。

どうも、短気なもので、思い立ったら、すぐに読みたいので、待ち切れません。

職場で使っている、割引のきく業者に注文を出したのですが、まだ来ません。

仕方がないので、数学者の藤原政彦の、随筆を読んでますが、同じような話が、度々出てきて、ちょっと食傷気味です。

どこかで読んだことがあるぞ、というやつです。

この、ちょっと過激で、でも、単純明解、かつ、爽快な数学者の考えには、共感することが多くあります。

でも、彼の言説は、私にとっては、辿っていくと、行き止まりになって、その思想の基盤になっているものが、見えなくなってしまうのです。

彼の説は、情緒では、理解できて、共感できるのですが、奥まで進めないのです。

なんでしょう、このモヤモヤ感というか、キツネに化かされたような感覚は。

私の、相対的な知力の不足が、彼の言説の理解の障害になっているのかも知れません。

でも、彼の語気に押され、その気にさせられるような、強引さが、かえって、面白くもあります。

講演会ではなく、この人の講義を聴いてみたいものです、どんな講義をするか興味津々です。

藤原氏の随筆で、私にピッタリ来るのは、文庫版の「古風堂々数学者」です。

文庫の、最後に付け足された、氏の小学校自体の思い出を小説化した「心に太陽を、唇に歌を」は、自分の体験と重なるところがあり、色々なことを思い出させてくれました。

おっかない先生が多かったですよ、私の頃は。

ものの善悪が、今より、ハッキリしていたと思います。

それと、陰湿で、卑怯な(藤原氏の最も強調するところ)事をする子が、今より、ずっと少なかったですね。

虐めはあったのですが、どこかで、それを許さない雰囲気がありました、先生も、生徒も。

なんだか、藤原派になってきました、危ない危ない。

共感することはあるのですが、少し、距離を置いて、考えてみたいですね、藤原氏の思想は。