長崎のことⅠ

先日、出張で、長崎に行きました。

初めての長崎です。

良い街ですね、気に入りました。

山に囲まれた都市で、その谷底に、街並みが広がっていました。

こじんまりまとまっていて、とても便利な都市という印象でした。

夜景の素晴らしさは、宣伝通りでした。

展望台に行かなくても、ホテルから見る夜景で、十分実感できました。

路面電車、良いですね。私、あれ大好きです。

車歴50年近い電車が健在で、感動しました。

古い路面電車の醸し出す雰囲気、大好きです。

色で例えるなら、茶色ですけど、私はとても落ち着きます。

長崎は坂の街で、確かに、生活するのは大変だと実感しました。



今回は、サボらず、ちゃんと仕事をし、空き時間だけで市内を見て回りました。

とくに印象深いのは、山王神社の大楠木です。

被爆後、息を吹き返し、巨木に成長したその姿は、生命の強さを実感させられます。

神社の広場には、子供達が、元気に駆け回っていました。

そばには保育園が隣接しています。

ほんと、静かで、平和な光景です。

原爆のことを思うと、心が痛みますが、あれだけの犠牲を払った戦争というものを、忘れつつある日本人が、いかに多いことか、とても心配になりました。

戦争を正当化する動きが、近年、強まっています。

一度、長崎や広島を訪れて、原爆のこと、戦争のことを、じっくり考える必要がありますね。

ですから、修学旅行に長崎や広島が組み入れられていることに、私は、大賛成です。

山王神社から、坂を上り下りして、永井博士の墓所にたどり着きました。

お参りして、来た道を戻り、原爆で片方が吹き飛んでしまい、片足になった鳥居の坂を下り、大通りに出ました。

何時までも立っていて欲しいものです、あの鳥居には。



原爆資料館のすぐそばに、原爆死没者追悼祈念館がありました。

原爆資料館は、爆心地の公園のすぐ上にありますが、祈念館があることを初めて知りました。

出来て5年くらいとのこと。

祈念館は、水をたたえた円形の構造物で、その内部は、まるでピラミッドのような構造でした。

まさに、墓所、のイメージです。

死没者の方々の名簿、資料が保存されています。

名簿の保管場所は、透明な、柱で、厳かな、静寂な雰囲気に包まれてました。

その柱は、すぐそばにある爆心地の延長線上にあるとのことでした。

その部屋の壁際にあるベンチに腰を下ろし、原爆資料館で見たものを追想しました。

建物内部にも、水の流れを設けているのは、被爆後、水を求め、それもかなわず、息を引き取る人が多かったため、とのことです。

祈りの場にふさわしい施設でした。