頭が回転しない!

朝イチの講義だったんですが、頭の回転がいまひとつでした。

他学部への出張講義です。

女子学生がとても多い学科です。

学生も、交通機関の遅れがあったのか、なんだかざわついていました。

そこで一言、「静かに!」です。

大学生に、あまり言いたい言葉じゃないですね。

言う方にも抵抗があります。

いつもは、ごく一部の学生が、開始数分ざわつくこともありますが、今日は、私の許容範囲を超えていました。

私は、ワイヤレスマイクを持って、教壇から、ときに、通路まで出て、講義します。

寝ているやつもいますが、とくに、注意はしません。

周りの学生の方が、気にしていたりして、おもしろいですね。

歩きながら、学生に質問をしてます。

講義の中に学生の答えを取り込もうという魂胆です。

でも、日本の学生は内気なので、活発な発言を期待するのは難しいです。

少人数の講義ならまだしも、100人ですからね。

講義中、主に、前列の学生と対話するような形になってしまいます。

それが嫌なので、ちょっと歩き回るという講義スタイルをとるのですが…。

と言っても、やっぱり前列の学生は熱心ですね。

講義していても、こちらの問いかけに、反応してくれるので、講義の進行上、大助かりです。

私の場合、前から3~4列目くらいの学生と授業を作っていくという感じです。

大学教育では、よく勉強する学生がいて、授業を引っ張ってくれるというのが理想なんでしょうけど。

知識を暗記し、それを試験において、正確に吐き出すということで過ごしてきた日本の学生には、なかなか難しい要求です。

その点、良きにつけ、悪しきにつけ、自己主張の強いアメリカなどでは、勉強する学生はものすごいので、教員に取って代わるくらいの勢いがあるようです、経験者の話によればですが。

教員も、息が抜けなくて大変でしょうけど、それが大学教育のあるべき姿かもしれません。

最近、チュートリアル教育という、学生主導型授業の導入が進んでいますが、少なくても、私の大学では、一応やってます、という程度ですね。

本腰を入れてやるには、教育体系を根本的に変える必要があります。

大学で、少しだけやっても、効果を期待するのは厳しいと思います。

よく勉強する学生にとっては、学生主導型の授業は有効ですが、学習意欲が低い学生にとっては、ただの時間つぶしになっています。

知識を商品として提供するだけじゃなく、大学生は自学自習が基本で、教員は、それを支えるという大学教育のあり方が、私にとっての理想です。