やる気にさせる方法

何時の頃から、自分が勉強するようになったかを考えてみました。

小学校の4年か5年生の頃、女性のN先生が担任になりました。

私、N先生がとても好きでした。ほんわかしていて、温かく、優しい先生でした。

それまでの先生は、厳しい人が多く、私は、勉強もあまり出来ず、先生の話を聞かない生徒だったので、先生方には問題児と思われていたようです。

通信簿には、何時も、注意散漫で、落ち着きのない子、と書かれ続けていました。

当然、成績は非常に悪いものでした。

そんな状況だったので、先生を(なぜかみんな女の先生でした)心を許せる存在と思うことはありませんでした。

N先生は、それまでの先生とは違い、生徒の長所を見ようと、努力してくれました。

出来の悪い生徒だった私にも、何かしら良いところはあるわけで、それを見つけて、誉めてくれました。

私は、とても励まされた気になりました。

想像ですが、N先生は、生徒に、勉強する癖を付けさせようとして、その日、自習した内容を書いたノートを、翌朝、教卓の上に提出させるという方法を考案されました。

先生は、提出されたノートを丹念に読み、コメントを書いて、その日の内に返却してくれました。

さらに、ノート提出の回数をグラフ化して、教室の壁に貼りだしました。

私は、これにはまったんですね。

毎日ノートを提出し、得点を増やしていきました。

勉強と言っても、何でもありで、私は絵日記を提出していました。

ある時には、工作をして、その作品を出しました。

そんな自由な雰囲気の中で、毎日、何かやる、と言う習慣ができあがりました。

今思うと、算数や国語といった教科の勉強は、ほとんどやらなかったように思います。

すすんで勉強のノートは、私にとっては、日記帳だったわけです。

でも、この習慣が、中学生になり、毎日少しでも、教科を勉強するという方向に転換していきました。

中学の初め頃は、それまでちゃんと勉強したことがなかったので、勉強をどうやっていいか分からず、あまり効率のよい勉強は出来ていませんでした。

それと、何時も頭の中がモヤモヤしていて、何か整理されない知識が渦巻いていて、とてももどかしく感じでいました。

それでも、勉強する時間は、学年が進むごとに増えていき、中学3年になった頃には、だんだん知識が整理され、統合されて使えるようになり、高校受験も何とかなりました。

もし、N先生との出会いがなく、勉強するきっかけがなければ、私は、たぶん、全然違った人生を歩んでいたと思います。

1人の先生との出会いが、私の人生に重大な影響を与えたのでした。

ひとそれぞれ、勉強を始めるきっかけは違うでしょうが、ごく自然な形で勉強に入っていけたことは、私には、良かったようです。中学生の頃、勉強法が分からず、ちょっと苦労しましたが。

N先生、ご健在でしょうか。とても懐かしい先生です。一度お会いしたい。