ワールドカップと日本人

2002年のサッカーワールドカップの時はひどかった。

日本戦と、担当する講義・実習が重なっていて、学生が試合見たさに浮き足立って、全く実習にならなかった。

これまで、野球やその他のスポーツイベントで、授業崩壊に近い状態になったことは全くなかったので、面食らった。

優秀で、普段は落ち着きのある学生でも、そわそわしていた。

面白いもので、15%くらいの学生は、マイペースで、サッカーのことなぞ気にも留めず実習に励んでいたが。

そんな学生達も、今年、医師国家試験にほとんどが合格して、医師への階段を上り始めた。

今年は、幸か不幸か、試合時間が夜間になるので、大丈夫のようだ。

ブラジルなどでは、国を挙げて、仕事そっちのけで、サッカーの応援をするらしい。

歴史と伝統が余りに違いすぎる日本とブラジルであるが、確かに、2002年のあの時は、ブラジルに負けないくらい、日本中が燃えていた。

ほんと、熱しやすい国民だと思う。おとなしそうな顔をしていて、その実、とてもお祭り好きなんだと思う。

ところが、日本中がサッカーで騒がしくなるかと思いきや、いきなりの敗戦で、諦めモードに入ったみたいだ。

これでまた奇跡の大逆転なんかやらかしたら、日本中大変なことになるかもしれない。

サッカーの応援で、日の丸を打ち振り、君が代を声高らかに歌う若者を、愛国主義軍国主義と結びつけて考え、戦争を知らない世代を心配する人達もいるようだ。

愛国心というより、お祭りを心底楽しんでいるように、私は思える。

この国の人達は、お祭り好きな、どちらかと言えば、楽天的な気質じゃないかと、ふと思うことがある。

サッカーワールドカップも、そんな日本人の心の内側がのぞける良い機会なのかもしれない。