両国の予備校

お医者さんのブログ?を集めたサイトを運営している団体?があるらしい。

お医者さんをより理解してもらうためにやってるとのこと。

お医者の何を理解してもらいたいのだろうか。

閲覧する人の興味で、ご自由にということか。

どこかの女医が、その日常をそのままブログに書いて、患者さんの怒りをかったことがあったが、そのサイトに登録されているものが、節度ある医者のブログであることを祈るが…。



ともあれ、こういうサイトが注目されるというのも、医者が人気の商売ということだろう。

社会的地位の高さ、収入の安定度、その他諸々の余録など、医者を取り巻く環境は、傍目には良さそうに見えるのかもしれない。

そんな上辺だけで医者を志されても困るのだが、現実に、医者をそんな程度の価値観でしか考えず、医学部に入学してくる者もいる。

医者を志す人は、世の中の経済状況に関わらず、不思議と減ることはない。

医学部がいつ頃から、こんなに人気な学部になったのだろう。

自分の高校生の頃は(30年以上前ね)、医学部を志望する者は、そう多くなかったように記憶している。

自分よりさらに上の世代の人に聞いても(皆さん超有名進学校の出身)、医学部より、理工系の学部に人気があったらしい。

成績優秀者は、医学部じゃなくて、理工学部に進むことが多かったとのこと。

自分の周りを見回しても、最優秀なヤツは、みんな理工系に進んでいる。

いずれにしても、どんな時代でも、勉強の出来る優秀なヤツは目先が利くといことかもしれない。



そう言えば、東京の両国というところに、医学部進学に特化したR予備校があった。

自分の高校生の頃は、まだビルのワンフロアくらいでやっていて、ごく小規模だったような気がする。

そのうち、両国駅界隈のビルが、次々にそのR予備校になっていった。

電車で通ると、細菌が分裂するがごとく、あ、また増やしたな、って具合だった。

医学進学予備校は、よっぽど儲かったのだろう。

このR予備校、世の中の医学部ブームにもかかわらず、最近、閉校したらしい。

医学進学に特化した予備校は、現在、多様化していて、少数精鋭主義で、手厚い個人指導が売り物の塾など、いろんな選択肢があるらしい。

R予備校は時代の波にうまく乗れなかったのかもしれない。今は、大手予備校が医学部進学に力を入れていて、競争も激しいようだ。

インターネットで検索してみると、自分の知っている医学生が、合格体験記なんか実名で書いていたりして、ちょっと驚く。

でも、その医学部進学塾の学費の高いことといったら、私立の医学部の年間授業料くらいのところもある。

本当に学習効果があるのだろうか、などと疑ってしまう。


そこまでして医者になりたいという熱意は認めるが、その気持ちを継続できるかというとなかなか難しい。

医学部進学の動機は人により様々だが、現代の医学は膨大な知識の効率的な運用を求められている。

勉強好きじゃないとかなりきつい。

それに加え、人間的な成長も、強く求められる。

医学は、非常に刺激的で、多様性があり、色々な方向に展開できる、とても面白い分野だと思う。

最近の医学部ブームは、私としては、ちょっと引っかかるものがあるが、意欲ある人が、ひとりでも多く医者を目指して欲しい。