さよなら、YS11

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YS11が来年で日本の空から引退する。本当にご苦労さん、と言いたい。YS11の評価は色々あるが、私は、日本人の、ある種のプライドを支えた歴史的メカであったと思う。

地方空港で、外国製の非力なエンジンに、どでかいプロペラが不釣り合いな機体を見ると、がんばってるな、無理するなよ、と声をかけたくなる。この機体には一度も搭乗したことがない。乗る機会はもうないだろう。とても残念だ。

決まってよく晴れた日に(YS11は雨に弱かったはず)、悠々と家の上を飛んでいるYS11を見かけるが、どこの所属だろうか。自衛隊ではなさそうだが。視力がいまひとつなので、機体のマークが読めない。

昔の日本人の方が覇気があった。戦争で叩きのめされたのに、なんとか這い上がって、少々時代遅れだったが、旅客機を作り上げたのだから。純国産じゃないが、なんとか仕上げた技術者の心意気には感動させられる。

時代は移り、日本が、特殊素材、精密機器の生産技術など、多くの資産を持ちながら、航空機の本格的な生産に踏み出さないのは、少々残念な気がする。確かに、ボーイング社やエアバス社に、翼や胴体の一部などを提供しているが、何か物足りない。コンコルド引退後、一時期話題になっていた超音速旅客機の外国との共同開発計画はどうなっているのだろうか。ぜひ実現してほしいものだ。