将来何になりたいですか?

空港に行くと、わくわくする。そして、少し切なくなる。

高校の初め頃まで、航空大学校に進み、絶対にパイロットになってやる、と決めていた。中学の終わり頃から、視力が低下し始め、高校入学時には、1.0を切っていた。視力はパイロットの命だ。なんとか回復させようと、遠くを何時間も凝視したり、目を休めるようにしたが、一瞬、視力が良くなることはあっても、長続きしなかった。そのうち、低下のスピードに対応できなくなり、また、鼻中隔湾曲症だったりしたこともあり、パイロットの道をあきらめてしまった。と言っても、私に適性があったかは疑問だが。

今でも、制服に身を包んだパイロットを目にすると、夢を実現した彼らがとてもうらやましく思える。いい年をしたおじさんが、少年のようなあこがれを持って彼らを見つめているのだ。パイロットをあきらめ、違う夢に向かって進むこととなったが、そちらもなかなかたいへんだった。今でも、一番やりたい仕事はなにかと聞かれれば、パイロットと答えると思う。

限りなく青い大空を一直線に飛ぶ飛行機を、いつまでも、いつまでも眺めている。中学生の頃、羽田に進入するジャンボを何時間も飽きもせず眺めていたときと同じ気持ちで。