久しぶりの江戸高

久しぶりに出身高校である東京都立江戸川高等学校に行った。ずっと未納だった同窓会費を払おうと考えたのだ。

父の法事を済ませた後、新小岩の駅までバスで出て、駅前から歩いた。駅前商店街のアーケードを抜けると、住宅地の中を進むことになるのだが、当時、どの道を歩いて学校まで通っていたのか、記憶がかなり曖昧になっている。少々あやしかったが、なんとか学校の正門までたどり着いた。校舎もすっかり変わっており、初めての学校といった感じだ。当時からある木々に昔の面影がわずかに認められる程度だった。

私が入学した当時は、すでに薄汚い鉄筋の校舎だったが、一部木造の校舎も残っていた。誰が決めたか知らないが、校舎がピンクに塗られていた。私はピンクの校舎が大嫌いだった。現在は、真っ白で、寒々しい。正面玄関から中庭(当時は石ころだらけのただの空間だった)を抜けて、校庭に出た。最近、めっきり強くなり、もう少しで甲子園も夢でなくなった硬式野球部がハードな練習をこなしていた。一年生とおぼしき部員のひとりが、ボールを取り損ねて後逸したとき、そのずっと先にいた私に気づき、一礼した。ちょっとびっくりした。今日の私は珍しく背広を着ており、先生か野球部OBとでも勘違いしたのかもしれない。よく訓練されていて、規律正しい印象を持った。なるほで、これだから強いわけだ、と納得した。当時は、野球部の連中には失礼かもしれないが、準硬式?で、決して強くなかったと記憶している。

しばらく練習を見学した後、事務室を経由して、校舎の外に出た。ちょうど帰宅途中の女子高生の一団と出会ったが、服装からして、ずいぶんくだけているのには驚いた。娘が私立の女子校に通っており、きちんとした制服姿しか馴染みがないせいだと思うが、昨今の都立高生は色々な意味で、自由というか、タガが外れているというか、オジン臭い表現をすれば、我々の頃はあんなひどくなかった、ということになる。個性的と言い換えられなくもないが、オジンとしては少々抵抗がある。外見だけで判断するのは危険と承知しているが、外見と中身はそう大きく乖離していないという、これまでの人生経験がこう書かせている。

我々の頃は、江戸高の女子は、清潔感(古い!)があり、まあまあ頭が良く(誤解されてしまうかもしれない、表現が難しい)、気立てのいい子が多かった気がする。もしかしたら、自分の思い出を美化しているかもしれないが。いや、少なくても、自分のクラスの女子は感じのいい子ばかりだった。3年間クラス替えしなかったので、どんな子なのかよくわかっていたと思う、たぶん(少し自信なし)。ここまで書いて、それじゃ、女子は我々男子をどう見ていたのだろう、と気になりだした。いつか、彼女らの意見を聞いてみたいものである、「俺たち、どうだった」と。厳しい答えが返ってきそうで、少し怖いが。