命よりお金という選択

産経新聞による、大飯原発再稼働の正当化記事を以下に転載する。
 
つまりだ、命よりお金、という選択が産業界では当然である、ということらしい。
 
正確な発電総量をあきらかにせず、原発推進に都合のいい数値を出してきては、節電あるいは停電という脅しをくり返す原発推進派と政府の汚らし手口を、心ある国民はお見通しなのである。
 
夏の電力不足キャンペーンは一体何だったのか、関電管内では、余裕で余っていて、さらに、周辺の電力会社には十分な予備電力があったことには黙りを決め込み、相も変わらず、バカじゃないかと思うのだが、電気が足りない、生活が苦しい、という大ウソを展開している。
 
そして、電気料金値上げ、という脅しが、電気がなければ生活が出来ない、という言い訳の根拠となっていることを思うと、ウソをウソで補完するという、詐欺の連続攻撃である。
 
産業界は、これまで自分たちが守ってきた利権を維持したいがため、このような脅しに乗るような素振りを見せるのだろう、露骨に推進派だと分かると世間の反発を買うので、電気が足りない、電気料金が上がると生活がたいへんだ、という具合に話を持っていき、反原発で固まった国民の賛同を得ようという嫌らしい作戦なのだ。
 
なんとも卑しい生命体である、原発推進派は。
 
大飯原発は、十中八九、活断層はない、原発稼働問題なし、という政治決着が用意されていることだろう。
 
国策は、原発推進なのだから、ウソをついても、詐欺行為をしても、彼らは原発を動かし続けるのだ、利権の維持のために、国民の命を犠牲にしても。
 
記事の引用、ここから。
 


大飯原発活断層判断持ち越し 企業は悲鳴、モノづくり力低下も

産経新聞 11月8日(木)11時7分配信
 関西電力大飯原子力発電所福井県おおい町)の敷地を走る断層をめぐって、原子力規制委員会は7日の会合でも「活断層」かどうかの判断を持ち越し、稼働中の3、4号機の行方は見えないままだ。来春には電気料金値上げも想定されており、メーカーは関西での生産縮小を検討し始めた。工場が逃げ出せば、関西の「モノづくり力」はますます損なわれる。

 「電力消費の大きな品目については、中国への生産シフトを検討中だ」

 兵庫県伊丹市に繊維工場を持つ日東紡の川畑信雄専務執行役員は、こう打ち明ける。

 国内に繊維4工場、化成品5工場を持ち、技術力を培ってきたクラボウの井上晶博社長は「電力不足が常態化すれば、国内生産が厳しくなる。安全を確認できた他の原発を再稼働すべきだ」と訴える。

 神戸商工会議所の大橋忠晴会頭(川崎重工業会長)も「電力が安定供給されなければ国力が落ちる。原発再稼働が日本の選択だ」と唱える。

 関電が値上げ方針を打ち出す中、大飯原発が再停止すれば値上げ幅が大きくなる可能性もあり、自家発電などの“自衛策”を講じる企業も出てきた。

 武田薬品工業の長谷川閑史社長は、今夏の節電対策として大阪工場(大阪市淀川区)に設置した自家発電について、「値上げ幅によっては関電から電力を買うより安くなる」として、積極的に稼働させることも視野に入れる。

 東洋紡の坂元龍三社長は値上げ幅によっては、電力会社との契約内容を見直す考えを示した。

 パナソニックの電気代は年間約500億円(平成22年度)。国内拠点の6割が関西に集中しており、大幅な値上げは業績悪化からの回復を妨げかねない。関西の大手私鉄は「社会インフラなので優先的な電力供給を求める」と強調する。

 小売業や外食産業にとっては、電力不足や電気料金値上げによる消費マインドの低下が懸念材料になる。

 建て替え中の本店の一部を来夏、先行開業させる近鉄百貨店の飯田圭児社長は「消費増税も重なって、若い人が消費に目が向かなくなる」とぼやく。

 一方、ダイキンの井上礼之会長は「値上げ幅は小さくしてもらいたいが、省エネエアコンへの買い替え需要が増えれば、社会貢献にもつながる」と前向きだ。

 りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「コスト面で関西が他地域より不利な状況となれば、関西経済がますます空洞化する恐れがある」と指摘する。