予定通りの再稼働強行

予定通り、というか、金を重視する日本においては、電力会社の意向には逆らえないのだろう。
 
関電の原発再稼働問題は、電力の供給状況とは無関係で、現行法では、原発を稼働させないと、これまでの殿様商売が成り立たなくなるから必死なのである。
 
関電にぶら下がっている経済界は、こぞって、原発再稼働を支持しているし、露骨には言わないが、電力不足が深刻だ、などと、暗に原発の再稼働が必要であると、援護射撃をしてきた。
 
大阪の橋下については、あの海千山千の金貸し弁護士らしく、引っ掻き回した挙句、どこかで手を打つだろうと予想していたが、まさに、その通りになった、予想通り、である。
 
さて、大飯原発の再稼働は、国民の声を無視して、強行されることだろう、そして、これを前例として、日本中の原発が次々に動き出し、たぶん、あの超危険な浜岡原発も、津波対策をする、というごまかしで、再稼働することだろう。
 
浜岡は、東海地震の予想震源地の真上に建設されていることが問題で、津波対策をすれば安全、という問題点のすり替えで、強引に再稼働に持っていくに違いない。
 
福島第一原発は、津波より先に、地震により破壊され、使用中の核燃料に存在する放射性物質が、津波が到達する以前に外界に放出されていたのだ。
 
地震による原子炉の破壊という、国際的にも認知された事実を、国民に周知せず、無視し、原発の安全性は津波対策で十分という考えで押し切ろうとする政府と電力会社の、国民の生命財産への無責任さと無反省さに,この国の異常さ、を思い知るのである。
 
以下に、関連記事を引用する。


関西連合、現実考え再稼働容認へ 慎重姿勢を修正、福井県の安全体制尊重

福井新聞ONLINE 5月31日(木)8時8分配信
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をめぐり関西広域連合は30日、慎重・反対の姿勢から容認へ大きく軌道修正した。背景にあるのは、今夏15%以上の節電が求められ「計画停電は生命のリスクがある」(仁坂吉伸和歌山県知事)という厳しい現実だ。再稼働に異を唱えるだけで電力不足を乗り切る決め手もないという限界を露呈。安全性確保のための福井県の取り組みを尊重しつつ、最終判断を条件付きで政府に委ねる形となった。(原発取材班)

 ■強硬から一転

 関西圏の首長はこれまで「被害地元」(嘉田由紀子滋賀県知事)を訴えたり、大阪府市統合本部エネルギー戦略会議が再稼働の8条件に原発100キロ圏内の自治体との安全協定締結を求めるなど、再稼働に強硬な反対姿勢だった。

 ただ、5月に入り政府の需給検証委員会は、再稼働しなければピーク時の需要に対して14・9%不足するとの見通しを確定。広域連合として15%以上の節電は受け入れたものの、決定的な節電誘導策は見いだせないのが現状だ。「関西経済に大きな支障が出る」(関西経済連合会)などとして、再稼働を求める経済界の声も強まっていた。

 この日の会合では、仁坂知事が「15%節電は手荒なことをしないと達成できない。計画停電による生命のリスクも全部クリアできない。(原発を)止めることを思って議論しているわけでない」と発言。政府の安全判断はあくまで「暫定的」との言質はとったものの、再稼働を事実上認める声明を出さざるを得なかった。

 ■頼りは福井?

 安全性を客観的にチェックする権限、能力を持たずに、ただ「ノー」と言い続けることの限界ものぞかせた。

 2基の安全性をめぐり京都府山田啓二知事は会合で、原子力安全委員会など国の安全規制が機能していないとあらためて指摘する一方、2基の安全性を検証している県原子力安全専門委員会など福井県の体制について「専門的な見地で、まさに動いているのはここだけ。福井県には感謝し、安全専門委の見解は十分尊重してほしい」と持ち上げた。

 声明でも福井県が40年以上にわたり関西圏に電力を供給し、安全管理組織などを設置して県独自の監視体制をとってきた点に触れ「関西の現在の発展は、こうした取り組みがなければあり得なかった」とまで記した。

 必ずしも信頼の置けない政府に代わり、安全性を高める上では福井県の知見が重要になるとみたともいえ、細野豪志原発事故担当相も「40年の経験を有する福井県の判断を政府として重く受け止める」と言及した。

 広域連合加盟の各知事は、声明発表の記者会見で「容認ではない」「判断の権限はない」と苦しい胸の内を明かした。原発立地市町が地元の県議は「関西の首長は経済団体の声や計画停電への不安などで、電力逼迫(ひっぱく)の状況を相当認識し、常識的に判断したと思う。求めていた原発の安全性確保も、国の説明を受け一定の区切りをつけたのではないか」との見方を示した。