食品の放射能汚染基準の驚きと絶望、そして諦観

福島第1原発事故による全世界的な放射能汚染をうけて、政府は、政治上の都合により、この3月17日に、食品の放射能汚染の基準値を慌てて設定した。
 
京都大学原子炉実験所の小出氏によれば、人類が共有できる放射能汚染の基準値というのはない訳で、それぞれの国が、地域が、政治状況によって決めているということである。
 
世界中には、様々な原子力関係の科学的委員会組織があるが、それぞれが、勝手な基準値を設定して、それぞれの主張を展開し、綱引きをしている、というのが実情である。
 
基準値がない、という一見科学的ではない説明に納得いかない人もいるだろうが、それは、放射能は、いかなる数値でも人体に有害である、という科学的根拠によるものである。
 
つまり、ある基準値以上なら危険で、以下なら安全、というような、閾値、を設定できないのが、放射能の危険性の特徴なのである。
 
以下に、食品汚染に関する、小出さんの、現状認識をアップする。
 
福島から人を動かしたくない、つまり、全ての産業も含めて、福島県を現状のまま維持したいという政府の政治的思惑によって、基準値が設けられたことなど、政府のデタラメさが、よく分かる内容である。