福島の農業の現状

以前、紹介しました、福島県伊達市の大武農園さんのサイトから引用させて頂きます。
 
農作物の扱いや補償など、多くの問題に直面していることは想像できますが、今、福島まで行われている対策を具体的に知ることが出来ます。
 
引用、ここから。
 
出荷自粛や出荷制限になった農作物は、収穫量・廃棄量の記録(写真や帳簿)を残しておいて、1か月分をまとめて補償請求をします。農協は、その補償請求の代行と補償代金の回収をします。農協に出荷していない生産者の生産物についても、補償請求してくれます。出荷制限になった物の買取はしません。産業廃棄物扱いですから、畑の隅にまとめて積み置きする対応しかできません。通常通りに出荷したものは、10日後くらいに代金が口座に振り込まれますが、補償請求したものはいつ支払いになるのか全く分かりません。
 
事故後、私のところで出荷したのは露地物のサヤエンドウだけですので、幸い出荷制限も無く、問題なく出荷できました。価格もほぼ通常通りです。私は作っていませんでしたが、事故直後に出荷されていたハウス栽培のサヤエンドウは、価格が暴落してました。
 
 
摘果した桃の実を、昨年は加工用として出荷していたんですが、今年は出荷が中止になっています。
 
引用、ここまで。
 
大武さんは、さらりと説明されていますが、現実問題としては、農業を続けることの困難さ、そして、将来の展望の不透明さ、を私は感じます。
 
先週末の講演会で、京大の小出さんは、私のような老人は、感度も鈍いので、少々汚染した食品でも摂取すればいい、と述べました。
 
これは汚染した食物をそのまま食べろと言うことでなく、年齢ごとに、汚染度の違う食物を食べ分ければいい、という提案です。
 
具体的には、小さい子供は、汚染のない食品、若い人は、なるべく低汚染のも、老人は少し汚染度の高いもの、ということです。
 
小出さんは、強要するのではなく、個人が判断できる情報を、適切に与えるべきだと言っているのです。
 
どうしても汚染の無いもの(厳密には国内産は汚染がない、と言えないですが)というひとは、そうすればいいということも付け加えていました。
 
つまり、農業という重要産業を崩壊させないためには、あえて、低レベルの汚染を受容するようなライフスタイルが、今後の日本では必要だという、小出さんの思想に基づく提案なのです。
 
少し、ビックリする、踏み込んだ、具体的な考え方ですが、正確な情報に基づき、各人が判断するという放射能とつきあう生活を受け入れる必要があると私は考えます、原発を容認するなら。
 
自分が生きている間に、こんな窮屈な環境下で生活する日が来るとは想像していませんでした。
 
福島原発事故は、戦争に匹敵するほどの、重大事件なのだと改めて認識しました、目の前で、バタバタと人が亡くならないだけで。